File.05 [人気落ちの前走人気馬の考察] その2 勝利の方程式

人気落ち馬の前走人気馬の狙える条件

前走人気に支持されてた人気薄の馬はまったく買い目がないのでしょうか? 様々な条件を変えてこれを追ってみます。

なぎさ:はい、久々に検証やっちゃいますっ! 今日のテーマは、「人気落ちの前走人気馬」っ!
赤ペンおやじ:うほっ! 穴馬特集だぞいっ!
なぎさ:今日は第2回目よ。
赤ペンおやじ:いいから儲かる方法だけ教えろっ!
けんすけ:今回は人気薄の前走人気馬を、条件を変えて追いかけてみた。
なぎさ:条件? どんな?
赤ペンおやじ:もっと手っ取り早く教えろっ!
けんすけ:じゃあ結論から言うぜ。前走人気になっていた馬が、今回人気が落ちていた場合はそれなりの理由があり、そう簡単には穴馬として狙えない。だが、前走1番人気だった馬が、今回降級して人気が落ちていた場合。これが唯一の狙い目だ。
赤ペンおやじ:ナニッ! 降級馬っ! そんな馬いつも人気してるぞいっ!
けんすけ:だから、人気薄だった場合は狙い目。俺としてはこんなめったにない条件よりは別の理論を探すべきだと思うぜ。
なぎさ:じゃあ、取りあえず見てみよっ!
けんすけ:今回検証した条件は次の4つの条件だ。尚、便宜上前走1番人気で今回が5番人気以下を人気薄として扱っている。比較のために今回人気になっている馬のデータを挙げる。

■トラック条件が変わった場合はどうか?


表1.前走1番人気の今回5番人気以下の馬
条件 着度数 連対率 連対占有率
トラック条件同じ 48-67-95-947 9.9% 80.2%
トラック変更 14-12-26-328 6.8% 19.8%

表2.前走1番人気の1〜3番人気馬
条件 着度数 連対率 連対占有率
トラック条件同じ 810-537-327-963 51.1% 88.8%
トラック変更 96-69-47-159 44.5% 11.2%

けんすけ:トラック条件の変化とは、前走と今回のトラックが違うと言うことを指す。
なぎさ:トラックって言うと芝とかダートとかって事?
けんすけ:そう言うこと。
なぎさ:連対率9%? ずいぶん低いのね。
けんすけ:まぁあくまでも参考と言うことで。コンマ数パーセントの数字を論じても仕方がないので、連対占有率の比較で話しを進める。
なぎさ:連対馬の中で占める割合の事ね。
けんすけ:そそ。トラック条件が前走と今回が違う場合と同じ場合を比較したが、圧倒的に同じトラック条件の方がいい。出現数自体も多いが、やはり同じトラックを使いつづけると言う事は、得意コースを走ってるということだろう。
赤ペンおやじ:条件戦なんぞでは、初ダート、初芝が良く走っとるぞいっ!
けんすけ:ちょっと的が外れるが、その場合は厩舎がその馬の適性を見極めていなかったケースがほとんど。トラック変更することで本来の力が活かせる条件に変わり、目が覚めた様に走り出す。

Pingトラックは前走と同じ方がいい

■距離条件が変わった場合はどうか?


表3.前走1番人気の今回5番人気以下の馬
条件 着度数 連対率 連対占有率
1F以上短縮 41-46-75-768 9.4% 44.0%
1F以上延長 21-33-46-507 8.9% 27.2%
同一距離 25-31-50-547 8.6% 28.8%

表4.前走1番人気の1〜3番人気馬
条件 着度数 連対率 連対占有率
1F以上短縮 668-456-281-814 50.7% 48.8%
1F以上延長 238-150-93-308 49.2% 16.7%
同一距離 472-317-202-581 50.2% 34.4%


けんすけ:距離変更はトラック条件によらず、前走と今回でレース施行距離が1F(200m)以上変化した場合と変わらなかった場合を比較した。200m以内の変更は便宜上同一距離として扱う。
なぎさ:なるほどなるほど。で、結果どうなの?
けんすけ:どうって、やっぱり距離短縮だな。人気の傾向としてはやはり前走同じ距離条件を走ってる方に集まると思う。だが、結果は…。
なぎさ:ねぇ、距離短縮って、例の「短縮ショッカー」って奴?
けんすけ:短縮ショックには違いないが、いわゆる「短縮ショッカー」とはちょっと違う。短縮ショッカーの条件は色々細かく規定されていて、単に距離短縮だけでは、「短縮ショッカー」には認定されないんだ。
赤ペンおやじ:ふん、そんなもんに頼らんでも、わしは長年の勘で…。うぉっ!
なぎさ:玉砕ね(笑)。

Ping距離変更は短縮を狙う

■トラックと距離が前走と一致した場合は?


表5.前走1番人気の今回5番人気以下の馬
条件 着度数 連対率 連対占有率
トラック距離一致 18-23-33-385 8.9% 28.2%
トラック距離不一致 44-56-88-890 9.3% 71.8%

表6.前走1番人気の1〜3番人気馬
条件 着度数 連対率 連対占有率
トラック距離一致 400-264-170-477 50.6% 44.2%
トラック距離不一致 506-342-204-645 50.0% 55.8%

けんすけ:これは結構重要なファクタだぜ。
なぎさ:何々どういう事なの? 良く分からないんだけど…。
けんすけ:つまり、G1とかのステップレースなんかは、本番と同じ距離条件で行われることがあるだろ。それだよ。
なぎさ:ああ、同一距離って事ね。
けんすけ:それに同じトラックと言う条件を結びつける。ダービー(芝2400m)のステップレース、青葉賞(芝2400m)みたいなローテーションを想像してくれ。
なぎさ:なるへそ…。ねぇ、トラックと距離が不一致の方が成績が良いんじゃない?
けんすけ:成績がいいってほどでも無いけど、占有率は高いな。まぁ出現数に開きがあるからだが、それでも前走と今回の条件がぴったり一致していない方がいい様だ。何より、同一条件で好走していれば、人気にもなりやすいしな。

Ping今回のコース条件と前走のコース条件の一致不一致は気にしない

■クラス条件が変わった場合はどうか?


表7.前走1番人気の今回5番人気以下の馬
条件 着度数 連対率 連対占有率
今回の方がクラスが上 35-43-68-855 7.8% 55.7%
クラスが同じ 20-34-50-386 11.0% 39.7%
今回の方がクラスが下 7-2-3-34 19.6% 4.6%

表8.前走1番人気の1〜3番人気馬
条件 着度数 連対率 連対占有率
今回の方がクラスが上 208-144-76-307 47.9% 22.7%
クラスが同じ 664-442-278-775 51.2% 73.4%
今回の方がクラスが下 34-20-20-40 47.4% 3.9%

なぎさ:あれ? 今度は連対率に結構開きがあるね。
けんすけ:そう、これこそが今回の本題。唯一人気薄の前走人気馬を狙う条件。
なぎさ:クラス変更って、500万とか900万とかの事?
けんすけ:それだけじゃなく、G2
G3などの重賞競争のグレードも含めた数字にしてある。まず、人気薄から見ていこう。占有率だけ見ると、今回クラスが上がった馬がNo.1。
なぎさ:でも連対率が一番低いね(笑)。
けんすけ:そう。サンプルとした馬は前走1番人気の馬なので、実力条件的に見て勝ちあがる可能性が他馬よりも高い。だから占有率が最も多い。でも人気がガクって落ちるほど、何らかの不安要素を抱えているので、凡走する可能性も高い。連対率の低さはこれを示している。
なぎさ:なるほど。要は相手に恵まれたとか、出来がいいとかそう言う事ね。
けんすけ:で、人気サイドを見てみると、最も占有率の高いのは同クラスと言うことになる。連対率も高いが、人気に割にはと言う感じもあるな。条件戦では、前走同じクラスを勝って、再度同じクラス条件に出走できるいわゆる“勝ち得”と呼ばれる馬がいるが、余りに有名すぎて穴として狙うにはちょっとな。
なぎさ:そうね。
けんすけ:で、人気薄の考察に戻るが、クラスが下がった降級馬を見ると、連対占有率が最も低いが、連対率は今日取り上げた条件の変化の中では最も高い。つまり、大抵の場合降級馬というのは人気になりやすいが、それでも人気を落としている場合は、他馬の影にかすんでいる可能性が高い。
なぎさ:それって、「人気の盲点」って奴じゃない?
けんすけ:鋭いっ! その通り。例えば、良血でならした馬や派手な勝ち方をした馬が同じレースにいる場合、そのレースでも最も基本に忠実な馬券戦術である降級馬がかすんで、人気にならないことがある。こういう馬がセオリー通りに走って穴を開けてるんじゃないかと考察するぜ。
なぎさ:ははん。じゃあ、これにさらに「短縮ショッカー」とかの穴ロジックを加えたら無敵?
けんすけ:50頭にも満たないサンプルで、さらに数を減らしそうな振るいにはかけたくないからやらない。この条件は非常に出現する回数が低いので、いたら狙ってみるのも手だな。その際には単勝をお勧めするぜ。

Ping人気薄の降級馬を狙え!

■人気落ちの前走人気馬の狙い方のまとめ

  • 前走人気に支持された人気薄の馬を狙うのは余り効率の良い方法ではない。
  • あえて狙うなら人気薄の降級馬。距離短縮が望ましい。しかも前走と同じトラックが望ましい。
  • 人気落ちの前走人気馬は、あくまで思いこみが作り出した穴馬だと肝に銘じるべし。数字を見てクールに頭を切り替える必要がある。

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