ADSLの加入者減少

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 いまはなき「東京めたりっく」通信によってもたらされた、ADSLによるブロードバンド時代は成熟期を迎えつつある。ADSLの加入者が減少といっても、ADSLは外来ノイズの影響や、基地局との距離に左右されるため、すでに敷設可能な場所が飽和状態にあると見て良いと思う。
 また、ヘビーなネットユーザーはFTTHに移行していると思われる。この手の回線数の推移については各所に資料があるが、FTTH、ADSLいずれも単月加入者数が減少傾向にあると伝えている。

総務省発表のニュース
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/7046.html

総務省発表の各回線ごとの加入者数
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040730_4.html

光ファイバー市場(グラフ)
http://www.bbb21.com/kanyu.html

総務省の資料を見ると、ADSL+FTTHの総計は約1400万人程度である。
だから、どうしたというのか?

 回線インフラの市場規模は、その次のコンテンツビジネスにつながる。たとえば、IPATやSPAT4もコンテンツビジネスの一種と見ることができる。いずれもインターネット常時接続を前提としたサービスである。携帯電話によるインターネット接続者数は資料によれば、7000万人である。国民の約60%が携帯電話によるネット接続をしていることになる。しかし、携帯によるメール送信もネット接続と見なされるため、純粋にPCによるネット接続と比較できない。そもそも用途が違うためである。

※携帯のメールが普及した背景には、高額な通話料金が背景にあったと思う。はじめは、メールを安価なコミュニケーションツールとして利用していたが、いつのまにか携帯電話の主要機能になった。駄文を気軽におくれるショートメッセージのメリットが出てきたのだろう(「眠い」と一言だけ言うために音声通話を利用する人は少ないだろう)

 シンプルぱっとのように常時接続を前提とするソフトを作っていると、どうしても契約回線数が気になるもの。常時接続回線のほかに、競馬に興味があり、PARS加入権が必要。となると、さらに人数が少なくなるのは仕方がないことだ。
 しかし、メディアの情報を鵜呑みにすると、この辺のユーザー数の見込みを間違う可能性がある。

日本のインターネット人口、普及率が6割超える
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/04/14/008.html

インターネット白書2004
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/06/29/3685.html

 たとえば、上に同時期に発表された2つのニュースがある。どちらもインターネット人口は6000万人超である(MYCOM PC WEBの記事の方が1000万人程度多いが)。そして、注目すべきはブロードバンド普及率である。どちらの48%程度の数値を示しているが、インターネット白書2004の記事では「自宅における」と断りを入れた上での数値である。MYCOMのほうは全インターネット人口のすぐ後ろにブロードバンド人口が48%と述べている。これでは実際の数値を勘違いする可能性もある。MYCOM PC WEBは7000万人(全インターネット人口)の48%で3300万人、白書の方は2200万人(自宅での利用者数)の48%で1056万人と大きな差が出てしまう。
 最近のメディアは、都合の良いデータをくっつけ、意図的に情報操作をしている感がある。メディアの発信する情報を元に、何らかの推論をたてる場合には、この辺を加味してみる必要がある。読みとる側にもリテラシーを要求する時代なのだ。

 吉田としては、この辺の数字はユーザー規模の算出(シェアフィー=ライセンス料)の根拠としているため、メディアによる操作を看破することは非常に重要である。

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