CPUの高速化戦争に終止符

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 IntelがPentium4 4GHz版の開発を中止したとのニュースがあった。吉田はPentium133MHz以降のIntel CPUは使ったことがないので直接は関係がないが、発熱と騒音の犠牲のもとに行われてきた過剰なCPUの高速化にいったん終止符が打たれたことは大きい。なぜなら、ソフト開発者は「ムーアの法則」に少なからず依存している点があるためである。

「ムーアの法則」とは、

 世界最大の半導体メーカーIntel社の創設者の一人であるGordon Moore博士が1965年に経験則として提唱した、「半導体の集積密度は18〜24ヶ月で倍増する」という法則。

引用:IT用語集

 つまり、平たく言えば、「CPUの早さは約2年で倍になります」という経験則である。かつては集積密度を上げればパフォーマンスが向上したのだが、最近ではその法則にもかげりが見えている。Intelと熾烈なCPU開発競争を繰り広げているAMDは、クロック周波数によるパフォーマンス改善に早々に見切りをつけ、2年ほど前から「パフォーマンスナンバー」を導入している。AthlonXP2500+などと表記されているのがそれである。
 Intelもクロック周波数至上主義の脱却を歌っていたが、それとは裏腹にクロックはどんどん高くなっていった。で、今回、ロードマップに乗っていた4GHz版を中止したことで、ようやくクロック至上主義を捨てたと判断できる。

 さて、これがソフト作者になぜ影響するのかと言えば、現在のコードは将来みこまれるハードウェアのパフォーマンス向上をある程度期待した設計になっているためである。たとえば、Windows。Windowsは95から約9年の歳月が経過しているが、バージョンを経るごとに重たくなっている。Intelの最新CPUを売るための戦略とも言われているが、結果としてWinXPへの以降が進まない。

 シンプルぱっとはCeleron300MHzでも快適に動くように設計しているので、特に問題はないのだが、今後データソースの主流になるであろうJRA-VAN DataLab.は問題がある。DataLab.からデータフォーマットが大きく見直され、出馬表を表示するまでに必要な処理手順が増えている。かなり、リレーショナルデータベースの思想が取り入れられているのだが、出馬表を表示するだけでもいろいろとデータを検索する必要があるため、CPUのパフォーマンスを要求している。
 一般的に人は何らかのアクションをとってから1〜2秒でレスポンスがないと、遅いと感じる。特に競馬のような性質のソフトであれば、1秒以内の表示を実現しないと、マウスをたたきつけられる可能性もある(吉田のマウスじゃないので、懐は痛まないが)。
 「ムーアの法則」とは別のアプローチをするのは吉田的には歓迎材料ではあるが、ソフトウェアのチューニングによるパフォーマンス改善も必要になってくるだろう。

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