無駄の中の思索

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 実際にやらなければならないことがあるとき、全然関係のないことにばかり力を入れてしまうことを「現実逃避」と呼んでいる。やるべきことを全く手をつけずに、関係のないことばかりをやっていれば、「現実逃避」と呼ばれても仕方がないが、やるべきことの合間に関係のないことを挟めば「息抜き」になる。
 「息抜き」は気分転換の側面もあるが、たいていの息抜きは「無駄」と呼ばれても仕方がない活動がふくまれる。

 例えばその代表格は、「読書」や「ゲーム」、「TV」だろう。「読書」も技術書や専門書などを読んでいれば無駄にはならないが、小説や物語は基本的に漫画と同じことをしていると思っている。「ゲーム」や「TV」は無駄の代表格かも知れないが、吉田が思うに「TV」のほうが「ゲーム」より無駄であると思っている。

 「ゲーム」にもその性質の高いものがあるが、自分のペースで進められるゲームについては、ゲームをしている最中にも様々な思索を巡らせていることに気づくはずだ。
 一方の「TV」は、情報を一方的に相手のペースで流されるため、TVを見ている最中に思索を巡らせていることは少ない。故に見終わったあとに何も残らないことが多い。
 自分のペースで進められる「ゲーム」や「読書(漫画を含む)」の場合、なにか思うことがあれば、それについて思索を巡らせることもできる。

 ちょっと例を挙げてみよう。吉田が現在行っている息抜きの中に、「ゲームボーイウォーズアドバンス1+2(GBWA)」というゲームがある。このゲームは、いわゆる「大戦略」型のシミュレーションゲームであるが、過去のゲームをよく研究し、非常に優れたシステムを持っている。

 移動距離や攻撃可能範囲を視覚的に表示できる点はもちろん、いちばん感心しているのは相手に与える損害の大きさの表現である。実際に近代兵器を扱うシミュレーションの場合、攻撃力のほかに相手の防御力、地形効果などが加わり、損害の計算は複雑となる。戦術シミュレーションは効率よく敵を倒すことが常に主眼にあるため、1手1手で敵に与える損害の大きさを判断できることは大きい。
 GBWAは、攻撃したい相手に、攻撃のアクションをとると損害が百分率で表示される。50%と表示されれば、敵に50%の損害を与えられることになる。結局、このことがシステムとしての単純化に繋がり、将棋やチェスのように、1手1手の重みが増すゲームに変えている。

 普段、VisualStudioやDreamWeaver、Excelのようなビジネスアプリケーション、開発ツールばかりつかっていると、複雑な手順をいかに単純化するかという視点が不足する。吉田が開発する競馬ソフトの多くは、開発者ではなく一般ユーザーが対象なので、この手のコンシューマー向けのゲームをやって、普段とは違うGUIやシステムに触れることは無駄ではない。しかも、自分のペースで進められるため、「無駄の中の思索」ができる環境条件がそろう。

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