落日を迎えたPDAの活用

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 PDA(個人情報端末)は、パソコンショップでもすっかり影を潜めている。先日、PalmOSのライセンスを受けたソニーも、CLIEシリーズの撤退を発表した。2004年6月に海外市場の撤退を決め、ついに国内である。今回、PDA自体から完全に撤退とのこと。国内で唯一のPalmOS搭載機ベンダーだっただけに、残念ではある。
 吉田も初代CLIEから所有し、3台乗り換え、現在はTH55という機種を所有している。

 PDAの日本市場は当初から携帯電話、ノートパソコンといった競合の隙間にあえいでおり、加えて電子辞書などの専用機の狭間で揺れていた。どんどん小型化PDA化するノートパソコンと、多機能高性能化する携帯電話に押しつぶされた形だ。

 PDAは処理能力が限定されており、ExcelやWordなどのビジネスアプリケーションをまともに動かすことは無理である(似たような製品はあるものの、完全な互換性を維持できるわけではない)。どちらかと言えば、予定表やToDoなど、スケジュール管理の方に重きが置かれていた。ビジネスでまともに使おうとするとパワー不足に陥り、携帯ゲーム機のように遊び要素が充実しているわけではなく、携帯電話のように通信機能が優れていたわけではない。

「何をやるにもいま一歩足りない」

そんな製品である。吉田の場合、かなり限定した使い方をしているため、PDAの提供してくれるものにはある程度満足している。これで、普段使っている開発環境が動作すれば最高だが、そこまでは望むまい(笑)。先日、所有しているPDAの活用法に悩んでいると書いたが、確定申告の書類を書いているうちにPDAの最適な使い方を思いついた。

「日々の記録をつけること」

である。もちろん、日記を残そうというものではなく、日々使っている経費などをPDAで完全に管理することだ。出納帳をつける場合の欠点は、処理がとにかく面倒だと言うことにつきる。だが、品物を買ったその場、あるいは移動中にささっと入力し、あとでそれをパソコンに取り込んでしまえば楽である。

 もちろん、こんなことは昔からやっていたが、確定申告を意識したものではないので、どこかおざなりで、最後は領収書の束とパソコンのデータをつきあわせなければならなかった。そこで今年から、PDAの小遣い帳ソフトに勘定項目をもうけ、そこに経費を入力している。入力したデータは月末に、一括してパソコンに取り込み、MasterMoneyというソフトで銀行口座情報とあわせて管理している。

 予定表などは紙の手帳でも事足りるかも知れないが、数字が絡むものはデータ端末の方に軍配が上がる。携帯電話は電話機のインターフェースからなかなか抜け出せないので、電源をぽんと入れ、すばやく入力でき、しかも計算やパソコンとの連携に分があるPDAは最適である。

 落日を迎えたPDAには華々しい舞台は用意されていないが、生活に密着したニッチな分野でまだまだ活用されていくだろう(新規ユーザーの獲得は難しいが)。

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