時計と余力

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 吉田はスピード指数を主として競馬の予想を行う。スピード指数は過去の競走における「走破タイム」を比較しやすい数値に置き換えたものであるが、ここではあえて説明はしない。
 スピード指数派にとって一番重視している要素は、過去にたたき出した時計(指数)と同じパフォーマンスを今回も発揮できるのか? という点である。もちろん、前走以下の時もあれば、それを遙かに上回るパフォーマンスを示すこともある。つまり、走破時計を予想に組み込んでいるものは、スピード指数が全体的な能力の指標ではないことを理解している。

 予想をする上で一番やっかいなのが、前走以上のパフォーマンスを示す場合である。指数上位6頭を選ぶ場合、当然過去のスピード指数が高い順に取捨を行うことになる。しかし、前走以上のパフォーマンスを示す馬の場合、突然選外から出現するため、評価検討範囲が広がることになる。

 こういう馬を見つけるひとつの方法は、前走のレースぶりを確認することである。例えば、1600mを1:35秒で駆け抜ける馬がいたとして、手を抜いたり、全力を出し切らずに勝ち上がった場合、余力を残していることが考えられる。相手がきつくなれば、この余力の分だけタイムを縮めてくる可能性もある。
 余力を判断するには、実際のレースで確認する他はない。しかし、ブラウン管で眺めている以上、手綱から伝わる手応えなどは我々には知るよしがない。映像のみから判断するため、ちょっとしたノウハウが必要になる。そのひとつが直線での追い方である。馬を追う場合、「鞭を入れる」、「手綱をしごく」という操作があるが、これが他の馬に比べて緩い馬が余力を残している可能性がある。

(1)気合いをつけるために軽く追う
(2)直前まで追わない
(3)鞭を使わない
(4)まったく追わない

 (4)のまったく追わずに勝つというパターンが一番分かりやすいが、同時に判断の難しいものとなる。

■2005年4月23日 東京2R勝ち馬 「チョウカイフレンチ」のケース

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日付 開催 レース名 頭 番 人 着順 騎手 斤量 距離 タイム 差 3F 体重
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050508 2東6 500万下*  14  5 1 2着 横山典弘 56 ダ1400良 1251 0.5 36.9 494
050423 2東1 未勝利   14 12 2 1着 横山典弘 56 ダ1400良 1268-0.2 37.2 500
040905 3新8 新馬     18  8 3 7着 田中勝春 54 芝1400良 1249 1.9 37.2 466

 この馬は4/23に、もったまま逃げ切った。この時のタイムが1:26.8であり、着差は-0.2秒の圧勝であった。もちろん、能力の一端を覗かせるが、ひとつ疑問があった。走破タイムである。3戦目にどうコースで走ったときには1:25.1である。それに比べ1:26.8は明らかに遅い。実際スピード指数で見ると、54前後の数値であり、この時期の未勝利戦によくある平凡なタイムであった。

■2005年4月23日のレースのラップ

12.6-11.5-12.5-13.0-12.4-12.0-12.8

 ラップを見ても2F目が11.5秒と早くなっているものに、その後は13秒フラットをふくむゆるめのペースである。逃げ馬にとってはかなり楽な展開といえる。
 結果的に3走目は勝ち馬の「ワイルドワンダー」の強さもあり、0.5秒差の2着に破れている。余力があったとはいえ、時計、メンバーともに疑問の多いレースであった。4/23の上位入選馬のその後を追いかけてみたが、2着に入った「ダージリンクロス」は5/8 東京ダート1400mに出走し、2番人気4着に終っている。

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