好走と凡走の条件その2

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 前回、競走馬の好走と凡走には、 どのような要素が絡んでいるのかについて触れた。あるレースでの成績を求めるときのモデルを単純化するために、「能力」、「調子」、「展開」 、「適性」を取り上げた。今回はそれぞれの要素についてもう少し掘り下げてみたいと思う。

 あるレースにおける競走成績と、 各要素の関係を簡単に式にしてみると下記のようになる。

競走成績=能力×調子+展開+適性

言うまでもなくこれは仮説であり、間違っている部分もあれば、 違う考え方があるのも確かである。まずは式を構成するそれぞれの要素について考えてみよう。

●能力

 競走馬の競走能力のこと。能力には精神的なものと、 肉体的なもの(おもに走破時計)があるが、現在能力として認知されているのは、後者の方である。もちろん、 潜在的な能力もこの中にふくまれるため、ずっと変わらない普遍的な数値として出すのは困難かと思われる。

●調子

 どんなに能力のある馬でも、調子が悪くては力が発揮できない。 一番人気におされた実力馬が不調で不発に終ったケースは数多くある。馬が生き物である以上、無視のできない数字である。
 また、吉田はどんなに調子が良くても、本来持っている能力以上の活躍はできないと考えている。すると、 100%の力を出せる状態を1として、能力に対するかけ算で表現するのが正しいかと思う。

●適性

 展開よりも先に説明しておく。能力と適性はよく天秤にかけられることが多い。 「ダート巧者」、「左回り巧者」、「重馬場がにがて」、「短距離のスペシャリスト」という単語に代表されるように、 特定の条件で爆発的な力を発揮する馬がいる。
 しかし、いくら他の競馬場に比べて中山競馬場が得意といっても、もともとの能力がなければ成績に結びつかないため、加算要素としている。
 調子の影響を受けるかは、判断が難しいため保留にしている。

●展開

 展開は考え方が難しいため、避けて通る人が多い。競馬新聞には、 各馬の位置取りをしめした図が掲載されることが多く、「展開=各馬の位置取りの予測」ととらえてしまう風潮がある。しかし、 位置取りを予想しても仕方がない。騎手も馬鹿ではないので(例外もいるが)、そのレースを勝つための作戦を練るし、 他馬の動向も影響し、思い通りの位置取りにはならない確率が高い。
 しかし、大まかな位置取り=脚質による有利不利はレースごとに存在する。これを加味したものである。

 JRAは番組ごとにどのようなタイプの馬を勝たせたいかを決めているが、 単純にコースを回ってゴールを駆け抜けるという視点では、このようなモデルも有効ではないかと思う。 これらの要素が数値で出せるようになれば、多くの時間をかけていたプロセスが省略でき、 さらに一歩進んだ予想ができるようになると考える。
 

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