正しい情報、質の高い情報

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首都圏は震災の影響で相変わらずです。首都圏で起きている混乱の大半は人災のような気がしますが。
今起きている現象は、物流の混乱、電力供給の問題、原子力発電所のメルトダウンに関する問題、生活用品の不足、交通機関の乱れ、日に何度かある地震です。これらの影響で、吉田も生産性が極端に下がっています。

すでに起こってしまったこと、天災など防ぎようのないことは別として、その他の事は正しい情報が伝えられていれば防げる問題ではないかと思っています。今回は、現在起きている事象と情報の関係を考えています。

■生活用品の不足(物流の混乱)について

首都圏では、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、生理用品、おむつ、ガソリン、清涼飲料水、カップ麺、パン、おにぎり、豆腐などの生成食品などが不足しています。特にスーパーがひどいもので、ほとんどの棚が空になっています。コンビニは定期的に物資の補給が続いているので、時間帯によってはお弁当などを見かけます。

これらの品不足の大半は、一部の人による必要以上の買い占め(実際に何度も目撃しました)と、「ヤバイ事態になった、みんなも買うなら自分も買わないと!」という集団心理に基づくものです

これらは、本当に供給が止まってしまうのか、需給状況はどうかなど、正確な情報が伝わっていなかったことが一番の原因ではないかと思います。例えば、水の買い占めですが、東京は水道水が出ます。東京都水道局も、水道管の状況について地震でダメージを負ったと発表していません。
ガスについては、金曜日の地震当日、マイコンメーターが強い揺れを感知して供給が止まりましたが、ガスメーターの復帰作業でガスは安定して提供されています。

こういう状況で、普段は買わない物を必要以上に買い込む必要があるのでしょうか? トイレットペーパーについても、2ロールも3ロールも一度に必要になるかと聞かれれば、否でしょう。

ガソリンなどの一部を除き、不足していたのは物資ではなく、正しい情報ではないかと思います(16日になって、ようやくこのことをTVでも触れていました)。

■電力供給の問題と交通機関の乱れ

14日の月曜日から、初の計画停電がスタートしました。これについては、東京電力側の対応が悪く各所で非難されています。
電力不足の問題は、福島や青森の原発が停止し、火力発電所も停止してしまったので、地震があった11日金曜日からありました。そこで自治体では、節電を呼びかけていました。

停電の話が出たのは、13日の日曜日からです。ただ、この時は節電が功を奏したのか、停電せずに済みました。11日の節電の呼びかけから疑問に思っていたのですが、東電側から不足電力量についてのアナウンスがあったのは、13日になってからです。混乱があったにせよ、見込み需要量と、供給可能電力量を見れば、どの程度の電力が不足するかは分かります。何%足りないので、家庭では不要な電気を消したり、暖房の温度調節など具体的な指示を出し、企業など大口需要家に対しては、契約電力量から、何%の節電をお願いしますと言えば済むことだと思います。

計画停電についても、本来の需要予測と供給可能電力量を比較して、大口需要家に協力を要請するのと同時に、発表した地域の停電を計画通り実施するだけでずいぶんと違います。直前になって対応を変更して、事後通知というやり方なので、そのあおりを受けて交通機関が麻痺したり、従業員がたどり着けず営業できない店舗などがかなりあります。

前日の夕方までに通知すれば、その情報を元に対応できるのですが。
東電の職員は頑張っているでしょうが、経済活動そのものを停止するわけにはいかないので、事業者としての責務を果たすべきです。

■原子力発電所について

原発関連のニュースで、やきもきされている人はかなりの数に上ると思います。東電側の情報公表の問題、政府の対応、どれもつっこみどころ満載ですが、有事にあったって、自衛隊、警察、消防など各機関を統率する役目を政府が行っていない点、協力を申し出た米国の申し出を何度も断っている点(を明快に説明していない)、原発に関する正しい情報を一括して流していない点など、「人」に関する部分の不備が目立ちます。

これも正しい情報を流しているかどうかがポイントになると思っています。さまざまなメディアやネットに散らばった断片的な情報をかき集めると、今回の惨事は「スリーマイル島以上チェルノブイリ未満」と言うことは分かりますが、朝起きると事態が変っているため、果たしてどの時点の情報が正しくて、どこが間違っているかが分かりません。

特に、TVが原発事故を扱う場合、コメンテーターが自らの思想を押しつけて、ミスリードしているケースも多々見られ、情報の判断を難しくしています。
東電や原子力安全保安院の記者会見で、感情的な質問をぶつける記者も多く、正しい情報からどんどん離れていってしまいます。

原発関連については、各所で情報を収集する必要はありますが、同時にネット上にはデマも出回っているので、取捨選択にはより注意深くなる必要があります。

■原発に対する個人的な見解

原発について、賛成派反対派が各所で盛んな議論をしているので、この場で吉田の見解もおまけで書いておきます。ちなみに、吉田は「どっちでもいい」と思っています。

すべてのサービス、商品に共通して言えることですが、我々が消費者の立場に立ったとき、その製品の製造プロセスは問題にせず、その効能、機能、対価にのみ着目します。電気だけがイデオロギーの対象になるとは思えません。

我々は各電力会社契約し、だいたい1KWh 22円ぐらいのコストを払って電気を買い取ります。生産方法については選択の余地もありませんし、こういう事態にならなければ気にもしないでしょう。

東京電力は電気のプロです。発電、送電などさまざまなノウハウを持っています。そのプロが、担当区域の電力を安定的に供給でき、コスト的にも採算が取れる方法を構築して、我々契約者に届けているのです。原発の方がかっこいいからという理由で採用しているとしたら、アホとしか言いようがありません。

もし、この状況に意を唱えるのであれば、その業者のサービスを受けなければ済むことです。商用電力の契約を解除し、自前で発電設備を持てば済むことです。サービスを利用しておいて、イデオロギーでものを語るのは正しいことでしょうか?

ただ、同時にこういう災害や緊急時の対応について、事業者は責任を負います。メルトダウンのリスクがあるなら、それを回避する手段を設ける必要がありますし、地震大国日本では、地震と津波がセットになっている感があります。災害対策に賭けるコストはかなり必要になると思います。
今回事業者としての東京電力を見たとき、災害発生時の情報提供に問題があり、その結果、多くのトラブルを引き起こしたと言えます。

 

平時の運用のコストは原発はまずまず優等生なのかと思いますが、安全設備にかける費用、使用済み核燃料の廃棄費用、設備の保守点検費用、つまりライフサイクルに対する費用は本当にかなり高く付くのではないかと思っています。

今回の事故を受け、日本でも発電方法に対する見直しは行われると思いますが、当面は火力発電で原子力の穴埋めをするしかないと思います。

吉田もかつて電気計測機器メーカーの開発をやっていたので、これらのエネルギー関連企業の情報は得ていますが、新エネルギーはどれも「安定的に電力を供給する」という点では火力、原子力に変われるものではありません。

■最後に 被災地に出来ること

いろいろなウェブサイトを見ると、同様の記事を目にしますが、とりあえず、被災者に支援の手が行き届くよう、まず募金をすることが重要かと思います。物資を届けようにも、必要な物資は日々変りますし、物流も混乱しています。
なので、こういう場合も、素人が下手な判断をするよりは、その手のプロにお任せし、プロの活動を支援するのが我々の役目ではないかと思います。

もう一つ重要なことは、その他地域の人間がきちんと経済活動をすることだと思います。今回の震災はリーマンショック以上の経済的な打撃を与えるとの予測があります。人的被害だけでも相当になるでしょうから、あながち間違いではないかと思います。

被災地の皆さんが救助、避難の段階をすぎると、今度は復興のステージに立ちます。その時に、日本全体が疲弊しきってしまうと、復興の助けも出来なくなってしまいます

だから、軽度の被災地、被災していない地域は、可能な限り経済活動をすべきだと考えています。

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