ドリーム競馬EX正式公開開始
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吉田が3年前から係わっている競馬ソフト、「ドリーム競馬EX」が正式に公開されました。ドリーム競馬EXのことは、5/22の記事で触れたとおりです。20日まえの記事になりますが、特徴などを知りたい人は、そちらの記事を改めて読んでください。
今回は前回の記事に書かなかった誕生秘話と申しますか、制作に係わる話を書きたいと思います。
■ドリーム競馬EXの企画が立ち上がるきっかけ
ドリーム競馬EXの企画は、名古屋に本社を置く「(株)ドリームオッズ」から来ました。この会社はもともと「ドリームオッズ」という名前のオッズ分析ソフトを販売していましたが、イチから新規で立ち上げたソフトではなく、別の組織が作ったものをカスタマイズして提供していました。いわゆるOEMという奴です。
で、そのOEMのドリームオッズの販売が終了し、今度はすべて新規で独自のソフトを作りたいという話を受けました。
この話が来たきっかけは、ドリームオッズに拙作シンプルぱっと2をカスタマイズし、ドリームPATとしてOEM提供していたためです。すでにパートナー関係が1年以上継続していましたので、自然な流れだったのかもしれません。
でも、前から先方に行っていたのは、「吉田はロジックは作れませんよ。ロジックを調達してもらえるなら作りますけどね」という話だったのですが、先方もツテがない上、競馬のロジックなんて一朝一夕には出てきません。なんだか知らないうちに、ロジックも吉田が作ることになっていました(笑)。
■コンセプト固め
企画の立ち上がった2008年は、ちょうどシンドローム2の作成の佳境に入っていました。シンドローム2の追いこみとドリーム競馬EXの開発立ち上げがかさなり、またまた死ぬ思いをした年でもあります。2008年の後半には、FXトレードにも手を出すわけですが、自虐的というか、プロジェクトを抱え込むのが好きなようです(笑)。もう、こんなダブルヘッダー、トリプルヘッダーはやりませんけどね。
企画会議があったのが、2008年6月ぐらいです。最初にしたのが、クライアントと一緒にJRA-VANのソフトライブラリを眺めることでした。秋葉原のルノアールでパソコンを開き、不安定なWi-Fi接続に毒づきながら登録ソフトを1本ずつ吟味しました。
この時期にも感じていたことですが、競馬ソフトはすでに飽和状態にあります。新しいソフトをつくろうにも、コンセプトもロジックも飽和していたのです。
同時期に進めていたシンドローム2は、パフォーマンスにとことんこだわったソフトです。しかし、パフォーマンスの追求は、ユーザー数が増えるほど徒労に終わります。なぜなら、皆がそのソフトをもとに馬券を買うと、オッズがさがりパフォーマンスが低下するためです。そのため、シンドロームでは、会員数が一定数になったら募集を打ち切ることにしています。
で、この時は「使って楽しいソフト」にしようと漠然と方向性が決まりました。PDCAなどの検証サイクルはこの時にすでに入っていましたが、システム競馬のコンセプトはまだこの時には盛り込まれていません。複数のロジックをユーザーがカスタマイズでき、検証して精度を高められるようにするとだけ決まっていました。
■地獄のロジック作成と検証
2008年でコードを書いたのは基本的にシンドローム2がほとんどでした。ドリーム競馬のために書いたコードは、検証用のコードだけです。だいたい2008年7月ぐらいから、ドリーム競馬EXのロジック開発がスタートしました。当初の予定では、性格の違うロジックを5種類くらい入れるつもりでした。
オッズ系のロジックは、直前オッズ予想でなく、締め切り30分前ぐらいでワークするロジックを作ってくれと、シンドロームに依頼しました(直前予想を売りとしているシンドロームには、たいがい無茶な相談です)。
吉田の方は、得意なタイム分析からはじめ、戦績分析、脚質、ローテーションなど非常に多岐に渡る項目をデータベースとTargetを使って徹底的に洗い出しました。この時期は先の見えない真っ暗なトンネルの中を一人で歩いていた感覚です。
まさに、スクラッチ&ビルド! 仮説を立て、検証コードを書き、はき出させた結果をTARGETで分析する。こんな作業を、8ヶ月以上くり返しました。ちなみにTARGETを使った理由は、GUIなどの部分の作業を省略するためです。
馬券本のロジックも検証に回しながら得た結論は、「タイム」と「オッズ」だけでいい。その他の情報は使えない。というものでした。
■システム競馬のコンセプト
ロジック開発中に、FXトレードに手を出した吉田は、システムトレードというコンセプトに出会います。簡単に言えば、売買となる根拠、ルールを事前に決めておき、その通りにトレードするということです。競馬にもこれは使えそうだと思い、システム競馬のコンセプトがためをし、システム競馬としました。単なる自動運転と違うところは、各項目毎にあらかじめ決めておく内容を定義したことです。
システム競馬のコンセプトは、2009年に決まりました。これを元にドリーム競馬EXのコンセプトや方向性も完全に決まりました。
競馬はギャンブルです。コンソールゲームのようにやって楽しいと言うわけでなく(あれこれと予想したことを話すのは楽しい作業ですが)、根本には当たってなんぼというものがあります。
ですから、「勝ちたい人の遊べる競馬ソフト」というコンセプトの影には、当たって楽しいことが前提であり、当てるため、より儲けるためにはどうすればいいかを試行錯誤するという過程を楽しむということがあります。
単に自動運転するだけでなく、「統計的な優位性に基づいたロジック」がワークする条件を自分で指定し、利益を上げていくのがシステム競馬の根幹となります。
■今後の競馬ソフト開発
たぶん、新規で競馬ソフトをつくるのはこれで最後になると思います。投票ソフト、オッズ分析ソフト(シンドローム2)、複合型競馬予想ソフト(ドリーム競馬EX)、サイン予想ソフト(非公開)、時系列オッズ蓄積ソフト(シンドローム専用)などを作ってきましたが、ほとんどの分野を網羅したと自分でも感じています。
既存ソフトをブラッシュアップしたり、バージョンアップすることはあっても、よほど好奇心を刺激するような内容でない限り、新規の競馬ソフトは作らないと思います。
つまり、ドリーム競馬EXは、吉田が立ち上げる最後の競馬ソフトです。
ドリーム競馬EX公式サイト:http://www.dreamkeibaex.jp/
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コメント
DIYのほうの更新はしないんですか?
投稿者 いつも見てるけど : 2011年06月15日 11:16
競馬三昧は趣味のサイトです。
なので、そこのコンテンツも気が向いたときに更新です。
投稿者 吉田章太郎 : 2011年06月15日 19:08
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