パソコンの見えないコスト

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 ディスプレイの交換を行ったことで、これまで使っていた17インチCRTは不要になりました。 そこで里子あるいは中古品としての売却を考えていたのですが、秋葉原で有名な中古販売店「じゃ○ぱら」では、「CRTモニタなんているか、 ゴラァ」といわれてしまいました。店頭では扱っていますが、通販ではラインナップからCRTが消えており、時代の流れを感じます。
 YahooオークションでもCRTモニタは流通していますが、やはり流しても手間だけかかる印象です。

 結局、廃棄処分にすることにしました。ご存じのように家電4品目(テレビ、エアコン、冷蔵庫、 洗濯機)はリサイクルが義務づけられています。2003年10月からパソコンもリサイクルの対象になっており、 処分には4000円〓5000円の費用がかかります。
 最近販売されているパソコンの場合は、あらかじめ廃棄にかかるコストが販売価格に上乗せされているようなので「PCリサイクル」 シールが貼ってあれば、コストはかかりません。
 しかし、これから数年はそれ以前の機器が廃棄の対象となるので、リサイクル費用を負担する必要があるでしょう。

 今回廃棄するディスプレイは、東京特殊電線製CV711Rです。このメーカーはリサイクルに取り組んでおり、提携業者が回収を代行します。税込みで4200円でした。 ちなみに地域のCRT廃棄費用は5250円であり、 メーカー指定業者の方が1000円ばかり安かったです。

 リサイクルについては、資源の少ない日本なので賛成ですが、きちんと行われているかが疑問が残ります。業者に回収されたあとは、 産業廃棄物という扱いになります(その業者がそのまま廃棄する場合)。リサイクルを唱うウェブサイトのように、 リサイクルのための処置をきっちり行っているなら良いですが、たまにニュースで見かける産業廃棄物業者のように、 不法投棄をするのなら大いに問題です。
 たとえば、「有限責任中間法人 パソコン3R推進センター」という法人がありますが、 実際の作業自体は下請けに丸投げしている可能性があります。4200円の処分費用のうち、元請けが半分近くをぶんどり、下請け、 孫請けがさらに安いコストで実務をこなすというのは、我が日本の悪しき産業構造の特徴です。

 また、リサイクルとして集められた部材についても、これだけ製造コストが問題になっているご時勢で、 コスト高のリサイクル部材を採用するかに疑問が残ります。 トイレットペーパーやノートなどにはリサイクル部材を使用していることを明記している製品もありますが、 家電およびパソコン業界ではあまり目にしません。まして、今の家電製品はほぼ例外なくMaid in Chainaです。 部材は現地に直接納品されるのではないでしょうか?

 家電リサイクル法、パソコンリサイクル法。リサイクルに関する法案が出るたびに思うのが、なぜ指定品目だけなのか? と言う点です。 家電はテレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機だけじゃないし、パソコンもマザーボード、CPU、 ドライブ類などさまざまなパーツ単位でもゴミとして発生します。
 吉田は2年に1回はマザーボードを入れ替えているのでその時に驚いたのですが、マザーボードなどは不燃ゴミ扱いで、 粗大ゴミですらありません。いつも「こんなでかいものを」と疑問に思いながら廃棄しています。

 どうも中途半端な役人が、ポーズのためだけに打ち出した制度という印象がぬぐえません。それなら、 こんな制度はない方がましだとも思います。負担に苦しむのはメーカーとユーザーなのですから。

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