公営ギャンブルとネット投票(2)

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 ソフトバンクの岩手競馬への参入を機に、 「公営競馬とネット投票」の関係を考えています。吉田はネット投票そのものには大賛成です。 PATによる電話投票ができるようになっただけで、わざわざウィンズに買いに行かなくても良くなったし、100円、 200円の馬券も気軽に買いに行けるようになりました。

 ウィンズまで買いに行ってた頃は「せっかく時間とお金をかけて来ているんだから、十分元の取れる配当を得よう」 とそれなりの金額を1レースにかけていました。

 また、ウィンズもしくは競馬場が近くにない人は、馬券そのものが買えません。このような人は電話投票・ ネット投票に頼る以外はありません。

 良いことずくめのように見えるネット投票ですが、それだけで経営難に陥った公営ギャンブルを救えるとは思えません。吉田は、 その理由を次のように考察しています。

「ネット投票が必要な人は、すでにネット投票権を取得している」

 もちろん、抽選に漏れてまだ加入権を持っていない人もいるでしょう。しかし、それは徐々に解消されいずれ頭打ちになるでしょう。
 カンのいい方は気づかれましたか? 吉田が着目するのは「ネット投票を必要としないファンにどうアピールするか?」です。

 これはマーケティングで言うところの「セグメンテーション」 にあたります。世の中の競馬ファンを見ると次のタイプに分類できると思います。

  1. 毎週場外に通い、朝から晩まで競馬を楽しむタイプ(年配者に多い)
  2. 電話投票権を持ち、毎週のように電話投票をするタイプ
  3. G1など大きなレースだけ購入するタイプ(対象は特別レースのみ)
  4. ダービーや有馬記念などG1の中でも特に名の知れたレースだけを購入するタイプ

 このページをご覧になっている方は1番か2番に該当するのではないでしょうか? 1,2番のセグメントは、 主催者に安定した収入をもたらす常連客といえます。常連さんをよろこばせるサービスはまた別の機会に取り上げましょう。

 


 

 売り上げのてこ入れ対策をするときに、どのセグメントを利用するかは悩むところです。しかし、 常連客はいきなり作ることはできません。誰もが4番から順に入っていくのではないでしょうか? イキナリ1,2番になった方は、 つきあう相手を考えてください(笑)。

 3番4番に該当する人は、「ライトユーザー」と呼ばれています。このセグメントに属する人にアピールする場合、 マニアックな知識を要求したり、手間がかかるようではダメです。誰でも簡単に楽しめるようでなければなりません。

 SONYがゲーム機器市場でNo.1になった戦略を例にとると、よりマニアックになりつつあった任天堂に対し、 女性にも受けるようなソフトを前面に出して市場を制しました。つまり、 これまでゲームにあまりなじみのなかった人の取り込みに成功したのです。

 


 

 さて、どうすれば全く競馬をしない、あるいは競馬をする頻度の低い人を取り込むことができるのでしょうか?  アプローチは色々ありますが、そのひとつとして、「敷居を低くする」というのがあります。「敷居」は「参入障壁」ともよばれますが、 次のようなものがあります。

  • 競馬に対する知識がない(興味はあっても、買い方が分からない)
  • 馬券を買う場所が近くにない
  • 馬券を買いに行くのが面倒くさい
  • なにを買えばいいのか分からない
  • ギャンブルなんてうさんくさい

一番最後の障壁は本人の問題ですので、放っておきましょう。
この続きはいずれまた!

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