著作権と利用者の狭間

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 PC系ニュースサイトを見ている人は既にご存じかと思いますが、ソニーがCDの不正コピー防止策としてとった「Rootkit」 という技術が大きな問題になっています。Rootkitは音楽CDをPCで再生するとユーザーの知らぬ間にインストールされるもので、 CDをMP3に変換しようとすると視聴に耐えられないくらいのノイズを載せるというものです。

 このツールのどこが問題かと言えば「勝手にインストールされる」、「システムから検知できなくなる」という2点です。

 シマンテックなどのセキュリティソフトベンダーはこのソフトが悪用されることを危惧し、ソニーに対して陳情などを行っていました。 そして、ついにRootkitを悪用したトロイの木馬第1号がでたのです。

 先頃、金融機関の名前をかたったCD-ROMによるスパイウェア騒動がありました。 ネットバンキングを狙ったもので、これによる預金被害が発生しています。 これよりも悪質なケースにRootkitが使用される可能性があります。
 もし、そうなったらソニーも社会的な責任を問われるでしょう(法律的には問題がなくても、メーカーとしての信用は奈落の底まで落ちます)。

 吉田もコンテンツホルダーなので、著作権によって保護されているコンテンツの重要性は十分に理解しています。しかし、 だからといって他人の財産や所有物であるPCに害を与えるようなものを作ることが許されるのでしょうか?
 7月にも 「シェアウェアにウィルス混入」というエントリーで、 不正利用をしたユーザーのHDDをフォーマットするというあほなシェア作者のソフトを取り上げました。 ソニーもその愚を犯しているといえます。

 こういう事件が起るたびに思うのは、一部の馬鹿なメーカー、作者の愚行が業界全体への不信感に繋がると言うことです。 音楽業界はAvexの「のまねこ騒動」をはじめとして、消費者の目はいっそう厳しくなっています。 ソフトウェア業界(とりわけオンラインソフト)については、もともと規模が小さいだけに、1人の失点が大きく響きます。

 メーカーや作者には襟を正して欲しいですね。

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