馬券の払い戻しと税金

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 本日3/15は、確定申告の締め切りです。申告が必要な人は、すでに提出済みのことだと思います。サラリーマンは、 会社が変わって税金を徴収し、年末調整をしているため、基本的には確定申告は不要ですが、株式による利益を得ている場合や、 退職金が出た場合、保険金を受け取った場合には確定申告が必要になります。
 もちろん、馬券で払い戻しを受けた場合も例外ではありません。

 日本の税制度では、何らかの収入があった場合、「収入−必要経費」が所得となります。この所得には「所得税」がかかってきます。 競馬の払戻金も「一時所得」という立派な所得のため、申告が必要です。

●一時所得とは?

 一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じたものでも、労務や役務の対価でもなく、 更に資産の譲渡等による対価でもない一時的な性質の所得をいいます。
 この所得には、次のようなものがあります。

  1. 懸賞や福引きの賞金品、競馬や競輪の払戻金
  2. 生命保険金の一時金や損害保険の満期返戻金
  3. 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものは除きます。 )
  4. 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金

国税庁タックスアンサーより http://www.taxanswer.nta.go.jp/1490.htm

 タックスアンサーの説明文を引用しましたが、要は「金儲けを目的とした収入のうち、継続的な収入以外」 を一時所得と言います。払い戻しは、まさに一時所得です。

 なお、一時所得の計算式は下記の通りです。

一時所得=収入金額−収入を得るために支出した金額−特別控除額

 それぞれの式を見ていきましょう。まず、「収入金額」は一時所得として受け取ったお金なので、 これはいいでしょう。3番目の特別控除(最高50万)も、一時所得から自動的に引かれるお金なので、問題はないですね。 最高で50万まで引けます。言い方を変えると、一時所得が50万以下なら申告の必要はありません。
 一番評価が分かれるのが、必要経費に当たる「収入を得るために支出した金額」です。競馬等のギャンブルの場合、 的中馬券を手にするまであまたのはずれ馬券を手にするわけですが、これは「必要経費」とは認められないというのが、税務署の見解です。 この時に認められるものとしては、以下のものがあります。

  • 当たり馬券をふくむ馬券の購入金額(100万の払い戻しの馬券に、 10万かけたならこれが相当)
  • 交通費など

 事業で必要経費を使う場合、各種証書がなければなりません。申告の際は不要ですが、疑問点があり税務調査があった場合は、 提出を求められます。一時所得の場合、これらの書類の提出が難しいという側面もありますが、 そもそも事業所得や給与所得のように継続して受け取るものではないため、年間で馬券に費やしたお金は経費として認められません。

 その代わり、申告の際には、かなり優遇されます。まず、特別控除の50万ですが、 給与所得者の配偶者控除が38万であることを考えると、無条件で50万ひかれるのは大きいです。
 また、計算した一時所得も申告の時に1/2することができます。これがかなり大きいです。 この申告所得額は、給与所得や事業所得と合算して税金を計算し直します。

 よく、「ギャンブルは税率が高い」といったデマを耳にしますが、ギャンブルで得た収入も数ある所得のひとつに過ぎません。 ギャンブルだけが目の敵にされるわけではないので、ご安心を。なお、競馬生活者のような生き方は否定はしませんが、 事業所得などに比べると必要経費に参入できる額が小さいので、あまりお得とは言えません。

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