誰がためのBLOG

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 2006年通信白書によると、 BLOGの利用者(登録者?)が868万人に達したとのこと。登録者とあるので、 恐らくBLOGサービスを提供している業者を利用している人の数でしょう。吉田のようにレンタルサーバーにMovable Typeをインストールしている人は数に入っていないと思われます。
 BLOGはアメリカで誕生し、もとはWeb Logと呼ばれてネット上のニュースなどの収集・記録(ログ)を目的としていました。 それがいつの間にか手軽な個人の情報発信の手段となっています。日本にはBLOGが流行る前から日記系サイトがありました。

 なぜ、ここまでBLOGが流行っているのかを考察する前に、従来からのWEBサイトとなにが違うのかを考えてみたいと思います。

■従来からのウェブサイトの特徴

  • 人に見せることが大前提
  • 自社製品や、その人ならではの「情報」をウェブという媒体で発表
  • 既存の書籍や雑誌に近い感覚
  • HTMLを使って、ウェブサイトをイチから構築する必要がある
  • リンクやウェブの構成は作成者が常に意識する必要がある
  • 自由度が高い(なんでもできる)
  • 動的なコンテンツ生成をするには、CGIプログラムを別途用意する必要がある

■BLOGの特徴

  • 気軽に書ける
  • システムとして日記を意識した作りになっている(記事が時系列)
  • 記事へのトラックバックやコメント機能が標準で備わっているものが多い
  • HTMLやオーサリングツールを知らなくてもすぐに使える
  • ウェブサイトの構成を意識する必要がなく、記事に集中できる

 吉田もBLOGが流行る前からウェブサイトを立ち上げていますので、BLOGだろうがウェブサイトだろうが、常に「人に見せること」 を前提とした文章を心がけています。内容もしかりです(今日どこどこに行って、何を食べましたなんて記事は書きません)。

 しかし、BLOGからインターネットでの情報発信をはじめた人は、BLOGとウェブサイトの違いなんて意識せず、 与えられたシステムの持つ属性=気軽に書ける日記として記事を書いているのではないでしょうか。確かにブラウザで見ると、 通常のウェブサイトもBLOGも区別はつきません(独特の構成で判断はできますが)。 ウェブサイトもBLOGもHTMLで書かれた文章には違いないのです。

 一時期、BLOGが検索エンジンで上位に表示されていました。 これはBLOGの出力するHTMLがSEO(サーチエンジン最適化)に適していたためです。で、検索エンジンの検索結果に不満が集まり、 2006年からBLOGのページランクが引き下げられました。
 BLOGに有用な文章が多ければ、こんな不満や措置は執られません。しかし、BLOGサイトは「気軽に書ける日記」 という特性が強く出ていたため、中身のないページが大増産されてしまいました。検索結果では、 これらのページはノイズでしかないため、情報検索者に嫌われたわけです。

 このような現象やBLOGの特徴を見ていると、BLOG本来の目的が何であるかに疑問が持たれます。 本来ウェブサイトは「他人に見てもらう」という前提があったのですが、 BLOGでは違うのかも知れません。

 そう考えるようになったのは、Life Hacks系のサイトを覗いていたときに、 「エンジニアは良いアイディアがあったらBLOGに書いたり、人に話すべきだ」という書き込みを見てからです。 誰かにアイディアを発表することで、それが磨かれ、よりよいものに生まれ変わるという理由らしいです。

 なるほど。確かにBLOGは気軽に書けるメモのような存在だし、しかも簡単にウェブ上に公開されます。これならアイディアを公表し、 磨きを掛けるにはうってつけです。そうなるとBLOGの目的とは、「自分自身のため」 に書くことではないでしょうか? だから、気軽にエントリーを起こし、情報や考えの整理のためにBLOGの記事にする。
 そう考えると納得がいきます。

 

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