改めて基準タイムについて考える その2

Posted on :| コメント (0) | トラックバック (0)

 前回の 「改めて基準タイムについて考える」の続きです。今回は、タイム理論の根幹をなす「基準タイム」の策定のために、 どのような基準を設けるべきかについて考えます。

 そもそも競馬は徒競走であり、純粋にタイムのみを競うのが目的であれば、常に同じコース(できれば屋内の管理された馬場)、 しかも直線でのみで行われるのが理想です。陸上のトラック競技と比べれば、競馬が徒競走としてはいかに異質なものかが理解できると思います。

  • 枠順により走行距離に差が出る(陸上競技では、トラックによりスタート位置が異なる)
  • 馬場が天候の影響を受ける(タイムの出方に差が出る)
  • 競馬場によりコース形態が異なる
  • 競馬場により同じ距離でも時計の出方が異なる
  • 実績などにより、負担重量が変わる

これだけを見ても、競馬が純粋にタイムのみを比較する競技でないことが分かります(競馬はタイムトライアルではない!)。なぜ、 このような「差」をわざと作っているかは明白です。競馬はギャンブルであるため、能力通りに走られると困る場面があります。つまり、 人気通りに決まるのではなく、波乱要素をいれないと、ギャンブルが成立しなくなります。

 では、競馬においてタイムを比較することが無意味であるかというと、 そうでもなく依然として多くの馬券術の中でもタイム理論の占める割合は高くなっています。
 先に挙げたタイムに与える不確定要素のうち、事前に対応が可能な要素をあげると、「コースによって時計の出方が異なる」 というファクターになります。現在の競馬は、距離体系がはっきりと確立されているため、 中距離以上に適性のある馬が短距離を走ることはほとんどありません(かつて3冠馬ナリタブライアンが1200mを走った暴挙がありましたね)。

 「同じ距離でも時計の出方が異なる」

 この現象を自分の中で感覚的にでも良いので捉えておくと、JRAの意図が見えてくるような気がします。そもそも、 JRAが何も考えずに各競馬場のコースレイアウトをしているとは思えません。もちろん、 東京競馬場のように用地買収にからむ理由もあるでしょうが、ギャンブルとしての紛れを生じさせるためと考えた方が自然です。

 コースごとのタイムの出方を考察する場合、何を考慮する必要があるでしょうか?

  • ディープインパクト、サイレンススズカなど、極端に強い馬を基準にしないようにする
  • 天候や季節ごとの差を考慮しない(これは基準タイムを出したあとの馬場差という概念)
  • レース数の少ない距離は考慮しない

 最終的には2100mで施行されるレースがあれば、その距離の基準タイムは算出しなければなりません。しかし、 この段階では基準タイムの作成が目的のため、あくまでもコースごとの時計の出方を比較するにとどめたいと思います。

 そこで、根幹距離(1200m、1600m、2000m、2400m)とよばれる競馬における重要な距離に着目します。 中でも1600mは牝馬が十分に牡馬と戦える距離であり、馬齢の若い馬でもこなせることから、 1600mのタイムを比較するのがよいと考えています(函館、札幌、福島などには1600mが用意されてませんが)。

新潟 1.35.80
東京 1.35.63
中山 1.35.45
京都 1.34.91 (外回りコース)
京都 1.36.46 (内回りコース)
阪神 1.36.16

上記は全年齢の2〓5着馬の平均タイムです(2005年度)。漠然とした傾向ですが、 次へ繋がる分析への足がかりになりそうな気配はあります。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

コメント

コメントフォームに記入し投稿してください





Search
最近の記事
カテゴリー
過去の記事
Comments
TrackBacks
Feed
Powered by