ディープインパクトの敗因とは?

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 ディープインパクトが凱旋門賞で3着に破れたわけについて、フランスの地元紙の分析がスポーツ報知に掲載されていました。 吉田なりの解釈を加えて、改めて分析し直してみたいと思います。 今後の海外遠征についての判断材料になると思われます(馬券が買えるわけではないので、検討してもしょうがないという話はありますが)。

スポーツ報知の記事は以下の通りです。

(1)好スタートが仇

 好スタートから2番手を進んだディープインパクト。その姿に「違和感」を覚えたファンも多かっただろう。 いつもの後方待機策を取らなかった武豊に対し、批判の記事を掲載する地元メディアもあった。

 実際TVで見ていて、ディープの位置取りに疑問を持った人も多いかと思います。 これまでのディープは、ほぼ最後方での競馬をして4角マクりが必勝パターンです。G1ではほぼマクリを使っています。 他馬の手が動いているところに馬なりでつけ、気合いをつけると一気に抜け出すのがディープの戦術です。
 2番手で競馬をしたことがないわけではないですが、やはりあの末足はこの戦術に大きく係わっていると思われます。

(2)精神面に揺らぎ

 レース前のパドックでは、いつもより頻繁にボロをする姿が目に付いた。よく見ると、通常よりも柔らかい感じだった。「人間同様、 馬も緊張すれば便意を催す。その度合いが高いほど、便が緩くなるのも人と同じ。久々のレースだったからね」とある調教師は分析する。

 パドックを見てないし、ぼろの堅さなんて分からないので、これについてはコメントできません。

(3)遅すぎたペース

 出走馬は8頭。史上2番目の少頭数で行われ、ペースメーカーとなる馬も不在だった。当然、流れは超スローとなり、 勝ち時計は2分31秒7。武豊の「こういうペースは慣れていない」とのコメントを掲載した。

 実際にディープのこれまでの戦績をTARGETで調べると、 ペース判断の基準に使われるPCI値は65程度です。50が平均値であり、数字が大きいほどペースが速くなるので、 これまで平均よりも速いペースで競馬をしていたといえます。
 フランスの馬場とは比較できませんが、やはり遅いと思います。本来、 先行策になれていればこのペースは先行するディープにはプラスになったと思いますが、普段とは違う戦術をとったディープにとって、 あまり展開が味方してなかったととれます。

(4)軟らかい良馬場

 馬場の硬さを表すペネトロメーターの数値は「3・0」。日本でいう良馬場だ。ところが、 2着馬プライドの手綱を執ったルメールは「プライドにとっては、もっと軽い馬場の方がスパートをかけられた。 少し馬場が重かったような気がする」と話した。

 フランスの馬場と日本の馬場の比較は単純ではないため、馬場の状態についてはわからない。しかし、 前走の宝塚記念は稍重であり、この時0.7秒差をつけて快勝しているところを見ると、敗因にはならないと思います。

(5)長いレース間隔

 6月25日の宝塚記念以来、中97日での実戦。過去の優勝馬で、最もブランクが長かったのは、65年シーバードの中90日だった。 世界の頂点を目指すタフな戦い。久々の不利は、想像以上に大きい。フランスのラジオ局「RTL」で長年、実況を担当しているB・ グラス氏は「3か月ぶりのブランク明けで走って勝てるようなレースではない」と厳しい見方を示した。

 これについては5月11日のエントリーでも触れましたが、 吉田もグラス氏の意見に賛成です。どんなに順調に調整しても、調教は所詮調教です。実戦にはかないません。 これが日本のG1レースだった場合、ディープをどのように扱うでしょうか。例えば、宝塚記念から鉄砲で天皇賞・秋に出走してきた場合、 1番人気には変わらなくても単勝1.1倍という指示は取りづけないと思います。
 実際、凱旋門賞を世界最高峰と位置づけるのであれば、 やはり間にステップレースを挟んだ上で実戦に望むべきです。 すくなくとも3ヶ月の休養明けに挑戦するレースではありません。

 また、先日のエントリーでも触れましたが、 凱旋門賞は3歳馬にきわめて有利なレースです。4歳馬はかなり厳しい負担重量を負わされます。

 強い馬が出ると次は海外挑戦となるのが普通になっていますが、 少なくともディープのローテーションはついでの印象がぬぐえません(タップダンスシチー型ローテーション)。これだけ強い馬なので、 陣営ももっと頭を使ってもらいたいものです。有馬記念につづき、凱旋門賞3着は彼の戦績に傷を付けていますね。 種牡馬としての価値は揺るぎませんが、やはり競馬ファンとしては残念です。

●参考 ディープインパクト凱旋門賞レース映像(YouTube)

コメント

初めまして。いつも、拝見しております。
僕もTARGETを使っているのですが、PCIは々上がりタイムなら、前半の遅いタイムの方が数値は上がるはずです。ですから、ディープインパクトはスロー中心のレースをこなしているはずです。

投稿者 yamamoto_nao_1989 : 2006年10月06日 10:58

そうですか。小生はTARGETのPCI値は使わず、スピード指数の先行指数を見ているので、
ヘルプの説明のまま解釈しました。

記事を書いたときに手元にTARGET-JVしかなかったので、ペース判断に利用しました。

投稿者 吉田章太郎 : 2006年10月06日 14:19

追伸ですが、敗因の主要な原因は先行策をとったことと、ローテーションにあると思っています。PCI値の解釈はTARGETを常用している方に任せます(吉田はもともとスーパーパドック派なので)が、これが敗因(3)であげられているのは、適当ではないと吉田は考えています。

投稿者 吉田章太郎 : 2006年10月06日 14:23

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