大人の読書

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 大人の読書といっても、官能小説を読むことではありません。ここでは社会人になってからの読書のことを指します。 吉田は電車で移動するときは、たいてい何らかの書籍を読んでいます。まわりを見渡すと同じ事をしている人を多く見受けます。

 吉田の利用している電車は空いていることもあり、車内では皆思い思いのことをしています。車内で最も目につくのが女子高生ですが、 彼女らは携帯をいじるか寝ている事が多いようです。 書籍を手にしているのは社会人が多いようです(なぜか男子高校生を車内で見かけることはないので、 世代の比較としては不十分なことをお断りしておきます)。

 吉田も学生時代はあまり本を読みませんでした。通学が徒歩だったためかも知れませんが、読むのはもっぱらマンガ、 ゲームにはまってた頃はファンタジー小説も読みましたが、活字に触れる機会はかなり限定されていました。 電車内の女子高生が本を読んでいる所はまず見かけませんが、吉田の学生時代も似たようなものだと思います。

 一方、社会人になり、特に電車で移動するようになってからは読書量が一気に増えました。 何もできない移動時間ということもありますが、やはり必要に迫られビジネス書、技術書の類を読んでいます。 まだ読んでない本がたんまりあっても、書店でついつい興味を引かれた本を買ってきてしまいます。

 ビジネス書や技術書は吉田にとって、必要な情報が書かれているのは確かですが、 これらの本が今抱えている問題に対して即効性を持っているかと言えば、「No!」と答えるでしょう。 自分でも3冊の本を書いた経験で言いますが、書籍で語られることはあくまでも一般論であり、 自分が直面した問題にどんぴしゃりと当てはまるケースはまずありません。
 技術書はともかく、ビジネス書の類は特に抽象的、概念的にならざるを得ません(具体例は挙げられていますが、誰かの経験、 局面であり自分とは境遇が異なります)。

 それでもなぜこれらの書籍を手にするかと言えば、自分の置かれている境遇や、 抱えている問題への対処方法のヒントを得たいと思っているからです。思うに、書籍等で書かれている情報は1にすぎませんが、 自分の境遇に置き換え、勝手に増幅しているのだと思います。問題への対処法が1から10まで決められているのではない限り、 書籍から得た情報は自分の経験になぞらえ、フィルタされたり都合の良い解釈をしたりします。
 書籍から得た情報をそのまま鵜呑みにする人は少ないでしょう。自分なりの解釈を加えている人がほとんどだと思います(技術書、 専門書は別)。

 つまり、「大人の読書」とは、「書籍等によって得られた情報を、自分自身の経験や思想を元に、 知識の再構築を促すためのトリガー」と言えます。

 逆に、これまでまったく経験したことのない分野は、よほど興味がない限りすんなりとは受け入れられません。「魂のひだ」 がない部分を素通りしている状態といえます。興味のある分野とは、すくなくとも何らかのとっかかりがあり、 ここを足場に書籍から流れてくる情報を受け止めることができます。

 子供は本を読んでも経験が乏しいため、 ほとんどの情報をまっさらな状態で受け止めなければなりません(本でいる本も実生活に密着したものはほとんどないでしょう)。 足場のない状態なであり、子供自身の生活に影響を与える書籍が少ないため、本を読まないのではないかと思います(小説だったら、 別にマンガを読んでも構わないと思っています)。

#吉田の読んでいる書籍には大きな偏りがあるため(小説等は読みません)、 すべてのケースについて当てはまるわけではありません。

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