Windows Vistaに見るMicrosoftのフォルダに関する考え

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 Windows Vistaについては何度か取り上げてきましたが、 今回はWindowsフォルダについて考察してみたいと思います。PCカテゴリではなく、開発カテゴリとしたのは、 今後のソフト設計にも影響するものだからです。

 フォルダは大きく分けると3種類に分けられます。ひとつは、OSなどが格納されているシステムフォルダ、 もうひとつはアプリケーションを格納するフォルダ、最期はユーザーデータを保存するフォルダ。 UNIX系システムに触れたことのある人なら分かりますが、UNIXはフォルダの命名についても明確なルールが存在しています。

 一方のWindowsはというと、実は明確なルールは存在してません。「え? システムはWindowsフォルダだし、 アプリはProgram Filesで、ユーザーデータはMy Documentじゃないの?」と思うかも知れませんが、実は違います。

■システムフォルダ

  • Windows3.1………C:\Windows (DLLはwindows\system)
  • Windows9x ………C:\Windows (DLLはwindows\system)
  • Windows2000 ……C:\WinNT    (DLLはWinNT\system32)
  • WindowsXP………C:\Windows (DLLはWindows\System32)
  • WindowsVista ……C:\Windows (DLLはWindows\System32)

■アプリケーションフォルダ

  • Windows3.1………明確な指定無し
  • Windows9x ………C:\Program Files
  • Windows2000 ……C:\Program Files
  • WindowsXP………C:\Program Files
  • WindowsVista ……C:\Program Files

■データフォルダ

  • Windows3.1………明確な指定無し
  • Windows9x ………C:\My Document
  • Windows2000 ……C:\Documents and Settings
  • WindowsXP………C:\Documents and Settings
  • WindowsVista ……C:\UserData

※記憶に頼っているところがあり、一部正確でないところもあります。

 Windows95以降、大きな改革はアプリケーションフォルダが明確に定義されたことにあります。一方ドキュメントフォルダは、 Microsoftのその時々の思想でコロコロと変わります。デスクトップのショートカットからは一様にアクセス可能ですが、 ひとたびExplorerでルートフォルダからたぐるとなかなか目的のフォルダにたどり着けないことが分かります。

■アプリケーションのインストールフォルダについて

 Windows3.1時代は、アプリケーションフォルダも指定されていなかったため、 インストールされたアプリケーションは好き勝手にフォルダを作っていました。 今でもたまにCドライブ直下にフォルダを作る行儀の悪いソフトが見られます(MicrosoftやIntelなどの大企業に多い傾向です)。

 このあたりは性格にもよりますが、吉田は片ついてないと気が済まない性分です。 だからデスクトップに余計なショートカットを勝手に作ったり、アプリケーションをインストールしたら、 IEのツールバーに余計なアイコンを増やしてくれるソフトは嫌いです。特に気味が悪いのは、 ルートドライブ(Cドライブ)直下に勝手にフォルダを作るソフトです。

■データフォルダについて

 一方ユーザーデータフォルダは、My Documentが一般的に使われます(この名称も好きじゃないですが)。 これもコロコロと変えられており、ユーザー側からするとえらく使いづらい印象を受けます。しかしもっと困ったのは、 一部のアプリケーションがMy Documentに勝手にフォルダを追加することです。例えば、MyDVDや、 MySkypeContentsなど。吉田の主観で言えば、データフォルダに、 アプリケーションの関連フォルダを勝手に作らないで欲しいとなります。その理由は明確で、My Document以下には実際にワードやエクセルで作成したデータ、Photoshopで加工中の画像データなど、 そのユーザーの意志で作られたデータやフォルダが存在します。

 その中にインストールしたアプリケーションがフォルダを勝手に作ります。そのフォルダがMy Documentにあることでユーザーにメリットがあるならまだしも、CDライティングソフトのプロジェクトファイルの保存先としてMy Document以下にフォルダが作られるのは設計的にも非常に不味いと思っています。
 ユーザーがデータを保存するという行動を起こしたときに、はじめてデフォルトの保存先として、My Document以下のフォルダが選択されるなら理にかなっていますが、 使いもしないフォルダが次から次へと勝手に作られていくのは悪夢としか言えません。

 なぜ、データフォルダをクリーンに保つことにこだわっているかと言えば、 データフォルダをバックアップすることを前提としているからです。ここに余計なデータが「勝手に」 保存されていれば、ユーザーのバックアップ資源を浪費することに繋がりますし、意図しないデータも一緒にバックアップすることになります。

 吉田の考え方として、ユーザーが意識的に保存したデータ以外は、 アプリケーションインストール先フォルダに保存する方法が正しいと思っています。 保存されているデータや関連ファイルがアプリケーションに関係のあるものだと一目で分かるし、不要になったら削除することも容易です。

■Windows Vista時代のフォルダについて

 Microsoftは、Vistaの設計方針として、 「アプリケーションのデータはそれぞれのユーザーフォルダに格納するのが望ましい」としています。その結果、Program Filesのインストール先フォルダにデータを保存しても、仮想化によりVirtualStoreに保存されます。 VirtualStoreはユーザーのデータフォルダに存在します。
 つまり、ユーザーの作成したドキュメントの隣に、余計なデータがあると言うことです。

 RC1を試した限りでは、VirtualStoreの仮想化動作も完璧ではないようで、 シンプルぱっと2の様に不都合が生じるソフトもあります。となると、より手間がかからず確実にデータを保存するために、 アプリケーションがProgram Files以外にインストールされる可能性もあります。こうなると、 Windows3.1時代に逆戻りです。

 MicrosoftのOSを使う以上、Microsoftの方針にはイヤでも従わざるを得ませんが、 かの企業はユーザーの事がまったく見えてない気がしてなりません。

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