iPhoneは画期的か?
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Appleから新しい製品が発表されました。その名も「iPhone」。すでにさまざまなニュースソースが出ているので、
ご存じの方も多いでしょう。
この製品の特徴は、音楽プレイヤーiPodに、ネット端末機能(GoogleMapが標準で見られます)というもの。
PC系サイトの閲覧ができる端末としては、ウィルコムのW-ZERO3があります(端末メーカーはSHARP)。
iPhoneの特徴
Appleの製品はまず、現物を見てもらった方が良いと思います(http://www.apple.com/iphone/)。
- 液晶内蔵型iPod
- 音楽プレイヤーとして利用可能
- 動画の再生も可能
- 200万画素カメラ
- SMSやボイスメール機能
- Safariブラウザ(フルブラウザ)、メール(POP3クライアント)、GoogleMap機能
- Wi-FiもしくはEDGEによるネット接続(EDGEはウィルコムのAirEdgeではありません)
デザインやGUIのできはともかくとして、上記の仕様を満たすデバイスは世の中にもあります。W-ZERO3などがその筆頭です。 また、世界の携帯デバイスはスマートホンとよばれる、PDA+携帯電話が普及しており、iPhoneもそのカテゴリーに入るでしょう。
これに対しての反応ですが、「キャズムを超えろ!」 というサイトでは白旗が揚がっています。
だがiPhoneは違う。目新しいデバイスを何一つ使うことなく、 「こんなのあったらいいよね」と誰もが思う機器を如実に実現させたトータル・マネジメント能力は驚愕に値する。
iPod登場以前も携帯音楽プレイヤーは存在していましたが、
iPod登場によりまたたく間に勢力図が書き換わってしまいました。吉田もiPod Shuffleを所有していますが、
取り立てて素晴らしいとは思いません。
では、なぜスペックで見るとたいしたことのないAppleの製品が市場シェアを握れるのでしょうか?
Appleの強み
Appleといえば、名物CEO スティーブジョブズが有名です。特に彼のパフォーマンスを交えたプレゼンテーションは神業といえます。 ビジネスに携わる人なら、彼のすごさについて一度は耳にしたことがあるでしょう。
しかし、Apple製品がプレゼンテーションだけで売れているわけではありません。実際、
パソコン市場では相変わらずWindowsに圧倒されています。スティーブジョブスがいなかった期間のAppleはもっとひどい扱いで、
「Appleって何? Macってなに?」という状況でした(吉田はその当時、
大学で漢字Talk7.5搭載のMacをいじってました)。
スティーブジョブスがCEOに返り咲いたAppleは、iMacという製品を市場に投入し、
再び世間の目をAppleに目を向けさせました。Windowsが確たる地位を占めた後だったので、
勢力図を書き換えるまでは行きませんでしたが、Appleの名を再び世に知らしめた功績は大きいです。
そしてiPod。この製品がAppleを完全に変えました。 Macとの連係を前提に作られたMP3プレイヤーでしたが、今では携帯音楽プレイヤーの代名詞になっています。 かつてのソニーウォークマンと同じ地位にいます。しかし、Appleの製品はスペックや機能だけ見れば、 他社を圧倒しているわけではありません。この辺がゲーム市場で苦戦を強いられているPS3との違いでしょう。
ではAppleの強みはどこにあるのか? 吉田なりに考えてみた結論が下記です。
- シンプル
- 選択肢をわざと制限し、ユーザーに強みを訴える
- 画期的な製品であるように見せかけるセールスプロモーション
つまり、Appleは「人の心に対しての請求力が他のメーカー以上」にあると思います。 吉田がiPodを購入したとき、安価で軽量な携帯音楽プレイヤーはiPodしかない印象を抱きました。実際、 購入当時もっとよく調べていれば競合他社によりよい製品があったと思います。しかし、そう思わせない戦略がうまいのです。
Appleは一点突破型の戦術をよく使います。強烈なセールスポイントを前面に出し、
そこを切り口にイメージを作るのが圧倒的にうまいです。
これはひとえにスティーブジョブスという人のおかげでしょう。彼はCEOという経営者の立場ですが、世界でも屈指の起業家でもあります。
起業家と経営者の最大の違いは、起業家が事業を創造するタイプの人間と言うことです。
経営者は必ずしも創造的でなくてもいいわけです。
一方のMicrosoft会長ビルゲイツはといえば、セールスに長けた経営者タイプの人でしょう。 この人は創造性はスティーブジョブスに劣りますが、卓越したセールス能力でMicrosoftを世界一の会社に成長させました。
日本企業で現在最も創造性に富んでいるのは任天堂だと思います。DSやWiiに見るように、これまでの殻にとどまらず、 創造的な製品を開発しています。ブランド力では世界トップレベルにあるソニーですが、こちらの製品は焦点の定まらないものが多いです。 例えば、PS3。そして、クリエシリーズ(PDA)。ソニーは何でもできる端末を作りたがります。吉田はソニー製PDAの愛用者ですが、 上記の点は痛切に感じます(皮肉にもソニーPDA末期にでたTH55は最高傑作だと思います)。
iPhoneは日本市場で受けるのか?
最期にiPhoneが日本市場で受けるかどうかでエントリーを締めたいと思います。吉田の予想ですが、 電話機としてはあまり成功しないと思います。iPodが欲しい人が買い、スタイリッシュなため話題になるでしょうが、 今の端末を投げ捨ててでも買いたいと思う電話にはなり得ません。その理由は……
- 電話としてはでかく、重すぎる
- W-ZERO3がDocomoやAuから発売されていても、反応は同じ
- フルブラウザ搭載携帯のニーズはごく一部(フルブラウザ端末は吉田も2機種所有)
- 日本の携帯独自の文化があり、 PC族の文化は受け入れられない
日本でスマートホンがあまり受けないのと同じ理由があると思います。吉田はPDA愛用者なので、 スマートホンがもっと普及して欲しいと思う反面、 でかい重い複雑すぎるものがどこまで普及するかは疑問に思っています(iPhoneは他のスマートホンに比べると大分シンプルですが)。
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