マスコミが主導するブームの危険

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 関西TVが作成した「あるある大辞典II」が、「納豆ダイエット」をとりあげ、ニワカブームが発生しました。その後、効果なし、 データの捏造などが発覚し、結果として同番組の打ち切り、関係者の処分で幕を下ろしました。
 ビジネスをかじったことがある人なら、プレスリリースによるマスコミへのPRについて聞いたことがあると思います。一番怖いのが、 マスコミが情報番組で取り上げて、それがニワカブームとなることです。

 ブームになった製品を取り扱っている業者にしてみれば、製品が売れるのは願ってもないことですが、これは劇薬で、 扱いを間違えれば自分の首を絞める結果となります。

 納豆ダイエットによる似非納豆ブームは、ブームに関係なく日常的に納豆を消費している家庭、小売り、 メーカーに多大な影響を与えました。メーカーは市場の需要に応えるべく増産体制に入った矢先に、捏造が発覚し、 結果として不良在庫を抱えている可能性があります。
 経営判断を誤ったと言えばそれまでですが、急激な需要増の怖さです。

 同じく、数年前(調べた限りでは1998年?2001年)に赤ワインブームが起り、 それまで白ワイン中心だった日本のワイン市場が大きく変化しました。赤ワインブームが起きた背景には、 ブドウのにふくまれるポリフェノールが身体によいという理由です。この時はたまたま「赤ワイン」 に白羽の矢が立ちましたが、これはつまるところ「ポリフェノールブーム」 と言い換えることができます。 その証拠に、ポリフェノールが含まれていることをアピールした食品が数多く販売されました。

 さて、赤ワインブームにも「あるある大辞典」 が係わっていることがネットの情報からも見て取れます。統計資料をみると1998年頃に赤ワインブームが来ていますが、 赤ワインが積極的にTV等で取り上げられたのは、同番組放送後のことです。TVの力でニワカワインブームが起り、 ワイン業者が悲鳴を上げます。ワイン業者はブームが去ったあとの在庫処理でも悲鳴を上げます。

 TV業界に陰りが見えているとはいえ、やはりTV CMが与える影響は少なからずあり、特に健康、 美容を扱った情報番組がさまざまな業界に与える影響は無視できません。しかし、マスコミをきっかけとしたブームはコントロールが難しく、 舵取りを誤ると危険であることが2つのブームを見ても分かります。

 

 

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