競馬の根源

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 吉田は元々スピード指数から競馬を始めました。競馬三昧の前身である「Club Yannies」のとき、 レース結果の分析をしたり、各馬のレース振りとスピード指数を比較したりとさまざまな事をやってきました。
 今は異常オッズ分析ツール「シンドローム」 を併用しています。また、世に出してない自作ソフトでも競馬を見ています。それぞれはアプローチがまったく異なるのですが、 あることに気づきました。

 

■オッズに現れる現象

 どのような馬券術を使っても、最終的にはオッズに反映されます。これが重要な前提条件となります(予想だけして、 馬券を購入しなければオッズには現れません)。このため、スピード指数などタイム理論信奉者は、オッズは濁った情報が混じっており、 予想の参考にはならないと言った意見もあります。吉田も当初そのように考えていました。

 一方、オッズのスペシャリストはどのように考えるかと言えば、オッズの中から確信犯的な異常投票のみを抽出しようとします。 少なくとも異常オッズ分析に主眼をおいている理論ではそうです(分布論はまた別です)。
 シンドロームでは、馬券に繋がるオッズをインサイダー投票と考え、逆に一般投票を「モブ」とよび、 その兆候が現れたオッズを「モブサイン」と呼んでいます。膨大な量の時系列オッズを分析した結果、 このモブサインと異常投票を見分けることができるレベルにまでなりました。

 さて、上記の前提でオッズを眺めていくと、確信犯的な投票によるオッズ異常とその他馬券術の相関関係のようなものが見えてきます。 まだ、吉田もしっぽを捕まえただけに過ぎませんが、この現象を捉えたことは大きな収穫だと思っています。

 

■競馬の根源とは?

 別の馬券術を実践したいた人間がオッズ競馬をすると色々と気づかされることがあります。そもそもすべてのオッズ競馬は「待ち」 のスタイルです。誰かが投票してそれがオッズに反映されない限り、異常オッズもモブサインも現れないためです。ボクシングに例えると、 相手の力を利用する「カウンター使い」です。オッズ競馬で先手必勝はありえません。

 では、そもそもオッズ派が重視する「異常オッズ」は誰がどのように引き起こしているのでしょう?  この問いはオッズ派にとって永遠の命題といえます。異常オッズを引き起こせる人は、まったく別のロジックで確信的な投票を行います。 この「別のロジック」が肝になります。

 シンドロームではこの確信犯投票は、インサイダー情報を持つものによって引き起こされると考えていますが、 厩舎を中心とした厩社会だけで完結しているのでしょうか? そうではないと思います。

 タイム理論(スピード指数など)を使っていると、早いタイムの馬が簡単に負けたり、 持ちタイムがない馬があっさりと勝ったりという現象を目の当たりにします。タイム周辺しか目が届かなかった時には、 展開や適性などに回答を求めましたが、それだけでは不足していました。
 もっと根源的なレベルまで下がって考える必要があったのです。

 3着に飛び込んでくる人気薄の馬はともかく、1着になる馬、勝つ馬には何らかの必然性があります。吉田はこれを 「JRAの意図」と呼んでいます。こう書くとサイン系馬券術のように思えてしまいますが、 そもそもJRAはコースレイアウト、賞金設定、斤量設定、番組編成(ローテーション)などを無作為に行っているわけではありません。また、 タイム理論信奉者は、開催毎に時計の出方が変わったり(特にダートが顕著)、使い込んでいるにもかかわらず、 安定した時計が出続けるのにも理由があることに気づかなければなりません。

 今の馬場は堅すぎる、時計が出過ぎるというぼやきは、JRAの意図が早い持ち時計を尊重した結果でしょう。スピード指数にしろ、 オッズ競馬にしろ、あくまでも一部分を捉えているに過ぎません。

 競馬の根源に迫っていく作業は、恐らく気の遠くなるような量の検証をかける必要があります。また、 仮に何かをつかめてもそれが必ずしも世の中に出せるとは限りません。しかし、結果に対して「なぜ?」を求める姿勢を続けることは、 必ずプラスになると信じています。

■注意:

  • シンドロームでは、競馬の根源に係わる分析をしていません。あくまでも異常オッズに対する分析です
  • 根源に係わる分析は、吉田の個人的な研究です
  • ここに書かれた内容にはお答えできないものもあります(具体例は一切お答えできません)

 

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コメント

初めまして。シンドロームのHPには何度か書き込みしたことがあるのですが、こちらには初めて書き込みます。
私もオッズ系の解析に日々没頭しています。(普段は吉田さんと同じ組み込み系のお仕事をやっています)
先日ふと思ったのですが、異常投票というのはJRAが意図的に生成することも可能なのではないでしょうか。つまり、何分間かの投票をストックしておき、一気に反映させれば、あたかも誰かが異常投票したように演出できます。
私の場合、あまりにも異常すぎる投票は篩に掛けていますが、これってもしかしてJRAの罠?などと思う時もあります。

投稿者 そら : 2007年03月06日 17:17

 もちろん、そのような処理をすることも可能かと思います。最終と確定オッズに多少の開きがあるように、JRAにはオッズを最終的には調整します。ただし、競馬法に定められているので、あからさまな調整は難しいかと思います。ただ、中間の票数が正しいかどうかを知る術は我々にはありませんので、JRAがあからさまな罠を仕掛けていたとしてもそれに乗るより他はないのです。

 また、純粋なオッズ派でない吉田には、オッズ固有の問題も見えてます。それは、目の前で発生しているオッズ異常の検証が難しいことです。スピード指数や戦績に着目した馬券術の場合、同じ結論にいたる複数の道がありますが、オッズの場合はそれを見つけるのが困難です(多くの場合、経験則によります)。
 まだまだ色々な視点でこの問題に当たれると思っています。

投稿者 吉田章太郎 : 2007年03月06日 21:41

早速のRESありがとうございます。
これからもこちらのBLOG、シンドロームともに楽しみに拝見させて頂きたいともいます。

投稿者 そら : 2007年03月08日 11:28

別のロジック。よいところに着目。ゲームを仕掛ける側と一般ファンを、Q群 F群としてその存在を統計学でといた人が今から30年ほど前にいます。
また別に、ブログ「競馬の正体」(検索して)高宮氏を参照。

投稿者 匿名 : 2007年03月26日 21:12

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