役割の終ったPDA端末
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吉田はPDA端末を現在2機種所有しています。1台は手帳代わりに使っているCLIE TH-55。 もう1台は本の執筆用に購入したLinux ZAURUS SL-C750。TH-55は現在フル活用していますが、 用途はかなり限定されてきました。SL-C750に至っては、電池も入れずに放置してます。
SL-C750は本の執筆を移動中にできるように文字入力に焦点を当てて購入しました。実際、 DIY競馬プログラミングの半分以上はこの端末で執筆したため、役割は果たしたと言えます。しかし、 驚異的なバッテリー稼働時間を誇るLet's Note CF-R5を購入したので、もう電源を入れることはないでしょう。 ザウルスについては、色々活用法を検討してみましたが、用途が見つかりませんでした。
一方のCLIEについては、すでに発売元のSONYがPDA事業から撤退しており、国内では市場自体が成立しなくなっています。
■吉田がPDAに負わせた役割
初期に所有していたPDAからの役割を列挙してみます。カッコ書きになっているのは、現在の利用法です。
- 電車の時刻表 (→携帯用乗り換え案内サイト)
- 暇つぶしの携帯ゲーム (フリーセルのみPDA、→Nintendo DS等)
- スケジュール管理
- ToDo管理
- ちょっとしたメモ
- 時計 (→携帯電話)
- デジカメ (→携帯電話)
- オーディオプレイヤー (→iPod Shuffle)
- 携帯メール (→携帯電話)
- モバイル環境でのネットブラウズ (→携帯電話)
- 2ちゃんねる閲覧
- ストップウォッチ・タイマー
- パスワード管理
- テキストビュワー (→携帯電話)
- 漢字辞書
- Blogのネタ管理
- モバイル環境での文章作成 (→ノートPC)
- アイディアプロセッサー(→ノートPC with マインドマップ)
- プロジェクト管理 (→マインドマネージャ、Wiki)
- アドレス管理 (→携帯電話、PC)
- 日々の出金管理
ほとんどが専用の機器や携帯電話に置き換わってしまいました。現在でも重宝しているのが、ToDo管理、スケジュール管理、 日々の出金管理です。つまり、きわめて手帳的な用途に限られています。
PIM機能を携帯ですべてを済ませる人もいるようですが、携帯電話は電話としてのI/Fを持っている以上、 手帳機能を継承することはすくなくとも日本ではないと思ってます。スマートフォンで代用する人もいると思いますが、 ユーザーは限定されています。
■これからのPDA的な端末
現在携帯電話が担っている各種の役割は、かつてはPDAが負っていました。吉田の主観でものを言えば、 これはSONYの功績が大きいと思います。PIM機能に特化したPalmデバイスに、ハイレゾや外部メモリ(辞書や音楽、 動画が使えるようになった)、音楽プレイヤー、デジタルカメラ、ボイスレコーダー、通信機能など家電、 AV機器的な機能を取り込んでいきました。
一方、携帯電話は通信機能を起点に、デジカメ、ネット端末、音楽プレイヤー、キャッシュカードの機能を取り込んできました。しかし、 依然としてPIM機能は貧弱なままです。
皮肉なことに、吉田の周りを見渡してもPDAの活用法はSONY的な付加要素ではなく、PIMとしてのものだけになっています。 SONYが根付かせたかった付加要素は携帯電話に吸収されてしまいました。
ちなみに、人がモバイル端末に担わせたい役割は、以下の通りです。
(1)PIMとしての役割
一言で言えば、手帳と同じ機能です。とりあえずスケジュール管理機能を備えていれば、PIMと言えます。 今後もこの機能が主流になると思っていますが、紙媒体が根強いため、PIMに特化したPDAでは苦戦を強いられるでしょう。
(2)簡易書斎としての役割
文章作成、表計算、プレゼンテーションなど、 デスクトップと同じ仕事をこなせて持ち運べるノートPCはビジネスマンの必携ツールとなっています。この分野で求められているのは、 特別な変換なしに、デスクトップPCとシームレスに連係できることです。PDAや携帯電話では正直荷が重い分野です。
(3)通信端末としての役割
携帯電話が固定電話を駆逐したように、どこでもネットワークに接続できるというのは、非常に大きなメリットとなります。 この分野は通信機器から発展している携帯電話が最も得意とする分野です。現在はメールと専用サイトの閲覧にとどまっていますが。
PDAのひとつの流れとして、Nintendo DSのような携帯ゲーム機の存在があります。
今やファミコンを凌ぐと言われているNintendo DSは、電子辞書を皮切りにPDA的な要素を取り込みつつあります。
現在のNintendo DSはエンターテイメント分野に主軸をおいていますが、
脳をきたえるシリーズなどのタッチジェネレーションで広がった市場は、PIM機能を欲するかも知れません。
Wiiのように、ゲーム人口の拡大をコンセプトにしている以上、ゲーム以外の機能が強化されることは十分にあり得ます(そして、
それがキラーアプリとなります)。
吉田は携帯電話の貧弱なPIM機能には満足できないので、どうしてもその機能を備えたPDAデバイスが必要です。しかし、 世の中は複雑になり、単純なToDoリストやスケジュール帳では対応できなくなっている以上、革新的なアイディアを導入する必要があります。 GTDを苦もなく処理できるレベルのものであれば、ビジネスマンを中心にヒットするかも知れませんが、市場自体がなくなりかけているので、 難しいかも知れません。
メーカーも携帯電話の方に注力しますが、携帯が携帯電話のI/Fを継承する以上、大きな改革は望めません。
PalmやWindows MobileのようなPDA端末が役割を終えた事は確かですが、 PIM機能を担える電子端末がないのは確かです。紙以外の媒体を手帳にしている人は同じ悩みを抱えているのではないでしょうか。
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コメント
吉田さん、こんばんは。
SHARPのW-ZERO3ですが、これ1台で携帯、PIM、モデムとすべて使えると思ったのですが、どれも中途半端でした。PIMはザウルスMI、電話は携帯です。
個人的にはZERO-3のように1台で済ませたいというのが夢です。
投稿者 karibu : 2007年04月05日 20:34
そうなんですよね。リナザウの前のザウルスのPIMは秀逸だと聞きます。吉田はCLIEのPIMに慣れてるので、やはりこれを使いたいのですが、GTDを実践するには物足りない部分があります。
国内市場が縮小する前なら、自分で作るという手もありましたが。
ザウルスMIはTH55よりも古い機種なので、そろそろ電池を含めてやばい状態じゃないでしょうか。液晶のバックライトの寿命もありますし。
投稿者 吉田章太郎 : 2007年04月05日 20:45
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