過半数が最大サイズで見る事への考察

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 少し古い記事ですが、あるニュースサイトに 「過半数以上の人がウェブブラウザのフォントサイズを最大にしている」という記事が掲載されました。 中以上のフォントサイズを指定しているとは思いましたが、よもや「最大」とは思っていませんでした。

 このことはウェブサイトをデザインする人はもちろん、ソフトをデザインする人にとっても大きな問題です。 大抵のウェブサイトは推奨のフォントサイズがあり、それ以外のサイズで閲覧するとデザインが崩れることが多いためです。

 

■フォントサイズを「最大」にする人の心理

 なぜフォントサイズを最大にするのでしょうか? 一言で言えば字が見えずらいからです。しかし、 元記事を見る限り高解像度ディスプレイを使っている人はごく僅か。4.0%以上しかいません。デスクトップは15?17インチ、 ノートなら12?15インチが主流のようです。 このクラスの解像度はXGA(1024×768)かSXGA(1280×1024)が良いところでしょう。

●パソコンのモニター画面のサイズは?

1位 14?15インチ程度(ノート)    34.1%
2位 17インチ程度(デスクトップ)    21.8%
3位 14?15インチ程度(デスクトップ) 17.8%
4位 12インチ程度(ノート)       11.4%
5位 19インチ程度(デスクトップ)     8.2%
6位 20インチ以上(デスクトップ)     4.0%
7位 10インチ程度(ノート)        1.6%
8位 テレビにつないで使用         0.2%
その他                    1.0%

引用元:http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0709/13/news036.html

 UXGAのような高解像度ディスプレイを使用しているならともかく、並の解像度しかないひとが「最大」 サイズを選択しているというのはある意味異常と言えるでしょう。

 ここで年齢別の人数構成を見てみたいと思います。 ネットレーティング株式会社のニュースレターによると2006年3月の時点では

       2006年3月 2000年4月
19歳以下  20.9%   17.3%
20歳代    11.8%   23.6%
30歳代    24.0%   27.0%
40歳代    24.0%   19.5%
50歳代    11.9%    8.9%
60歳代    7.4%     3.8%

?30歳代: 56.7%    67.9%
40歳代?: 43.3%    32.2%

引用元:http://csp.netratings.co.jp/nnr/PDF/Newsrelease11072006_J.pdf

 2000年に比べて2006年3月で年齢構成に変化が出ていることが見て取れます。「最大」 サイズの利用者と思われる40歳代以降が急増しているようには見えませんが、この層は着実に数を伸ばしています。

 

■ウェブサイトの作り方の問題

 ほとんどのウェブサイトはフォントサイズ中(10pt程度)を前提としていると思います。 10ptはパソコンにとって標準的な文字サイズではありますが、年齢によっては小さく見えます。 10ptはデスクトップアイコンの文字サイズがだいたいこれに相当します。
 しかし、サイトによってはこれよりも小さい文字サイズを指定していることもあり、見えずらさに拍車を掛けています。 酷いサイトはCSSで文字サイズをpt指定しているものがあり、こうなるとブラウザでは文字サイズを変更できません。

 ウェブサイトはクールなデザインもてはやされた90年代後半から、そこに書かれている情報にシフトしています(2000年代)。 最近では「三井住友銀行」のように、 ウェブサイト上にフォントサイズを変更するボタンを用意しているサイトもちらほらと見かけます。 それだけサイト上の情報が読みづらいと言っている人が多いと言うことでしょう。

 ウェブサイトの作り方はあえてここでは触れませんが、インターネットが高齢者の人に気軽に利用されてくるにつれ、 文字サイズというのはこれまで以上に重要度を増すと言えるでしょう。
 また、これはソフトウェアの世界でも同様です。今後の参考にしたいと思います。

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