楽するメディアバックアップ術

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 バックアップがどれほど重要なものかは、データの破損にあった人なら実感できているでしょう。PCパーツの中で、 HDDは非常に壊れやすいデリケートな部品です。このデリケートな部品の中にお金には代え難い大切なデータが詰まっています。 不慮の事故からデータを守るには日々の地道なバックアップしかありません。
 しかし、バックアップというのは非常に手間が掛かるものです。

 データが少ないうちはバックアップも簡単に済みます。SDカードやDVDに容易に保存できるからです。 ところがデータ量が増えてくると、市販のメディアには入り切らなくなるため、複数のメディアを利用することになります。
 外付けHDDや別のPCにバックアップする方法もありますが、安全性で言えばやはりHDD以外のメディアにも保存しておくべきでしょう。
 吉田はバックアップを容易に行うために、DVD-RAMを選択しています。

 

■複数のDVDメディアに簡単バックアップ

 複数枚のDVDメディアにバックアップするのは意外に面倒なことです。メディアを入れ替えるだけでも面倒なのに、 コピーするファイルをディスク毎に選び直さなければなりません。吉田は毎週日曜日にDVD-RAMにバックアップを取りますが、 この作業が面倒で仕方がありませんでした(毎週DVD-RAM 5枚分のデータバックアップを行うため)。

 そこで楽をするためVectorなどのサイトからいろいろとソフトをダウンロードして試してみましたが、 あまりしっくり来るものがありません。そこで、発想を変えて既存ソフトを組み合わせて自作してしまいました。

 今回使用したソフトは次の通りです。

●RealSync

  • 2つのフォルダを比較して、ミラーリング(同一の内容にする)を行う
  • コマンドラインオプションを使うことで、自動処理が可能
  • 使い方がシンプル

●nirCmd

  • Windowsの操作をコマンドラインで実現
  • CDの出し入れやメッセージボックスの表示など、APIを利用しなくても実現可能
  • WSHやバッチファイルからも利用可能

 これに順次ディスクの入れ替えを指示するバッチファイルを作り、半自動化バックアップを実現しました。バッチファイルを実行すると、 ディスクの挿入を促し、RealSyncによるデータバックアップ。バックアップが終了したらDVDを自動的に排出します。 これをディスクの枚数分行います。
 RealSyncはコマンドラインオプションで設定ファイルを指定できるので、 DVDディスク毎に設定ファイルを変更すれば簡単に実現できます。
 では、その手順を説明します。

 

■RealSyncの設定

(1)RealSyncを起動する
(2)[更新]-[追加]メニュを選択する

[更新]-[追加メニュ]を選択

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(3)バックアップ元フォルダを指定する
(4)バックアップ先フォルダ(DVD)を指定する

バックアップ元と先を指定


 

 

 

 

(5)その他の設定をしておく

その他の設定 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 自動更新の対象にチェック
  • 削除にチェック

(6)OKボタンを押して終了
(7)フォルダの数だけ同じ設定を繰り返す
(8)RealSyncを終了する
(9)RealSyncのフォルダにある「RealSync.dat」 ファイルの名前を変える(あとでバッチファイルから呼び出すのでアルファベットで、分かりやすいものにする)
(10)ディスクの枚数分(1)?(9)の作業を繰り返す

 

■バッチファイルを組む

 バックアップの諸設定はすべてRealSync上で完結させておきます。 RealSyncは起動時に-dオプションを付けて設定ファイル名を指定すると、指定した設定ファイルで起動します。これを利用して、 バッチファイルから次々とRealSyncを呼び出すようにします。
 ただし、バックアップ用のディスクを入れ替えないといけないので、 nirCmdを使ってDVDの入れ替えを促すメッセージを表示させるようにします。

@ECHO OFF

REM ■■■ USR ■■■
.\nirCmd qboxcom "Usrデータをバックアップします。ディスクを入れてください" "バックアップ"
.\nirCmd cdrom close F:
.\RealSync.exe -r -d .\Usr.dat
.\nirCmd cdrom open F:
ECHO Usrバックアップ完了

REM ■■■ メール ■■■
.\nirCmd qboxcom "メールのバックアップをします。ディスクを入れてください" "バックアップ"
.\nirCmd cdrom close F:
.\RealSync.exe -r -d .\MailBack.dat
.\nirCmd cdrom open F:
ECHO メールバックアップ完了

REM ■■■ ウェブサイト ■■■
.\nirCmd qboxcom "ウェブサイトのバックアップをします。ディスクを入れてください" "バックアップ"
.\nirCmd cdrom close F:
.\RealSync.exe -r -d .\Website.dat
.\nirCmd cdrom open F:
ECHO ウェブサイトバックアップ完了

REM ■■■ ソース ■■■
.\nirCmd qboxcom "Sourceのバックアップをします。ディスクを入れてください" "バックアップ"
.\nirCmd cdrom close F:
.\RealSync.exe -r -d .\Source.dat
.\nirCmd cdrom open F:
ECHO Sourceバックアップ完了

REM ■■■ 保存資料 ■■■
.\nirCmd qboxcom "保存資料のバックアップをします。ディスクを入れてください" "バックアップ"
.\nirCmd cdrom close F:
.\RealSync.exe -r -d .\Siryou.dat
.\nirCmd cdrom open F:
ECHO 保存資料バックアップ完了

上記は吉田が実際に利用しているバッチファイルです。「USR」、「メール」、「ウェブサイト」、「ソース」、 「保存資料」とカテゴリー毎に分けた5枚のDVDに保存するようにしています。DVDドライブはFドライブです。 ここはそれぞれの設定にあわせてください。

 ひとつのバックアップ動作を解説します。

REM ■■■ USR ■■■
.\nirCmd qboxcom "Usrデータをバックアップします。ディスクを入れてください" "バックアップ"                ………(1)
.\nirCmd cdrom close F:       ………(2)
.\RealSync.exe -r -d .\Usr.dat  ………(3)
.\nirCmd cdrom open F:       ………(4)
ECHO Usrバックアップ完了    ………(5)

(1)nirCmdにメッセージボックスを表示させています。
(2)DVDを挿入します
(3)RealSyncを「Usr.dat」という設定ファイルを指定して起動します
(4)DVDを取り出します
(5)DOS画面に終了したタスクを表示しています

 この方法の良いところは、自分の環境に合わせてきめ細やかな処理が出来ることです。また、 シンプルな実装なので、誤動作が少ない点です。
 RealSyncの機能であるボリュームラベルのチェックを併用すれば、より安全にバックアップが行えるようになります。

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