速度で見る競馬場の特性

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 タイム理論検証の一環で、各競馬場のタイムを速度にしてみました。 速度はタイムで言われてもピンと来ないコースや距離の違いを明確に示してくれます。最終的にはスピード指数のようにコース差、 距離差を補正する必要がありますが、競馬場毎の特性を見るにはこの補正は邪魔です。
 そんなときにうってつけなのが速度(秒速)だったのです。

 コース毎の速度

 調査したのは、主場4場の1200-2500mまでの芝レースです。すべての距離が全4場に揃っているわけではないので、 気をつけてください。元になっているデータは、2005-2007年の500万、1000万条件の1-3着馬平均タイムです。 良馬場のみを使っています。

(1)距離が長くなるにつれて速度が低下

 距離が長くなるにつれて、速度が低下しています。当たり前と言えば当たり前ですが、ペースの影響を受けているようです。 上がりタイムには距離毎の差はあまり顕著に出ませんが、ペースは一気に落ちます。
 競走馬がペースをゆるめず走れるのは1200mなどの短距離戦と、ちまたで言われている通りの結果でしょう。

(2)中山コースは時計が掛かっている

 中山コースは基本的に時計の掛かるコースのようです。速度が他場に比べると遅くなっている距離が多く見られます。 例外は芝1200mで、全場の中で最も時計が出ます。特殊なコース形態が影響していると見ていいでしょう。

(3)芝1600mは場毎の差が見られない

 この結果もなるほどと納得させられます。西田式スピード指数において、基準となる距離は1600mです。実際、速度で見ても、 阪神が若干時計が掛かっている以外は同水準です。このことから、芝1600mはタイム比較のひとつのモノサシに利用できるでしょう。

(4)ペースと上がりの関係

中山コースのペースと上がり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 中山コースだけですが、ペースと上がりを秒速に置き換えたものを比較してみましょう。 ペースは施行距離から上がり3Fを除いたものを利用しています。

 芝1200mでは、ペースと上がりの差はあまりありませんが、 1800m以降はペース速度が上がりの半分ぐらいまで落ち込んでいます。芝1200mと比べると、400mの差がある芝1600mですが、 ペースと上がりの差は他の距離と比べてもあまり落ち込んでいません。よく、1600mはタフさが要求されるコースだと表現されますが、 このグラフでもそれが見て取れます。

(5)まとめ

 分析のためにほかにもいろいろデータを作成しましたが、いろいろと興味深いデータが得られました。このデータはもともと、 距離補正の是非を確認するために作成したものですが、やはり距離補正はした方がいいという結論に至りました。その理由として、 距離が伸びると速度が落ち込むためです。これはペースが影響しているのですが、速度グラフの落ち込み方を見ても、 芝1200mと2500mの数値を等価に見ることは出来ません。

 ただ、A.ベイヤーや西田式のように、芝もダートも一様に同じ補正値を使ってよいかについては悩みどころです。 基準タイムである程度吸収できるとは思いますが、同じ距離でもコース毎にいびつな誤差が見られるため、 最終的にはまた速度に置き換えて検証してみたいと思ってます。

 

 

 

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