スピード指数に見る過去資産の活用法

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 タイム系理論は、A.ベイヤーを祖にもち、西田式スピード指数の流れを受けて構築されています。実際、タイム理論の計算式を見ても、 「基準タイム」や「馬場指数」といったおなじみの概念が登場してきます。
 式には些細な違いはあるものの、原則的に同じ発想、原理原則に基づいています。

 吉田が開発中のタイム理論の基本式は

タイムインデックス=(基準タイム-走破タイム+馬場指数)×距離補正×ペース補正

です。馬場指数をパーセンテージで表した係数にして掛け算にするか、これまで通り足し算にするかは思案している最中ですが、 基本形はこれで決定だと思っています。
 よくある斤量による補正は不要と判断し、除外しました。

 ここからが今回のエントリーの本題ですが、上記に挙げた式は今となっては別段珍しいものではありません。 これまで多くのタイム理論の研究家によって、それぞれの要素の影響を示唆されてきたものです。吉田はより適切な形に組み直したに過ぎません。

 タイム理論ではありませんが、オッズ理論でも各券種毎の得票率がスピード指数における走破タイムの役割を果たしています。 まともな理論なら、オッズそのものを使わず、得票率に換算し直してるはずです。

 ソフトウェアの世界では、すでに誰かが作ったものを再発明することを、「車輪の再発明」と言っています。車輪は車や自転車、 荷車などに利用されて誰もが知っているものですが、これを改めて発明することを揶揄した表現です。

 我々の科学技術や文明は、先人の知恵や試行錯誤の上に成り立っています。タイム理論にしても、 さまざまな疑問や問題点を先人が解決してきたから今日があるわけです。今日、タイム理論を作り直そうと決心したのは、 既存の理論に問題点を感じているからであり、その優れた功績を否定するためではありません(何故か市丸氏著の「タイムフィルター」 ではA.ベイヤーや西田式をこき下ろしていましたが)。

 タイム理論はすでに古いと見る向きもいますが、 回収率は下がっても理論の確かさやモノサシとしての正確さが陳腐化したわけではありません。回収率が下がった理由は単純で、 皆が同じ指標を信用しはじめたためです。

 競馬はゼロサムゲームなので、誰かが勝てば必ず誰かが負けています。唯一の例外は全員が的中して元返しになった場合でしょう。 この場合の敗者はJRAです。JRAはそれを避けるために、競馬を複雑化させています。
 本当の意味で他人を出し抜くには、誰にも知られてない情報を使って、こっそり儲けることでしょう。

 タイム理論の場合は、公開されている情報によって予想するため、その精度の差はあれ、基本的に同じ傾向が出ると思っています。 それでもあえて新しい指数を作る理由は、現在広く使われている西田式スピード指数よりも高い回収率を得るためです。
 実際に吉田の指数は、計算式よりも各種データの作成方法や、その運用法にこそノウハウを詰め込んでいます。結果的にそれが、 西田式スピード指数の回収率よりも20%アップする要因になれば、それでいいのです。

 A.ベイヤーの本は引き続き読んでいますが、この人は本当に凄い人だと思います。何が凄いかと言えば、 自分自身は何も画期的なことを考えたわけではなく(スピード指数の基礎になっている部分も、 友人がIBM360で導いた結論に基づいています)、それをあれこれ試行錯誤して自分のものにしている点です。だから、 自らの方法論の欠点もよく理解しているということです。

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