タイム理論における馬場指数の扱い

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 吉田はたびたびこのブログで、新しいタイム理論の構築について触れてきました。 基本線はA.ベイヤーや西田式スピード指数を引き継ぐことになりますが、その中で馬場指数あるいはトラック指数は中心的な役割を果たします。
 馬場指数は西田式スピード指数においてもかなり大きなウェイトを占めています。まだ、具体的な数字は求めていませんが、 タイム理論では基準タイムと走破タイムの差を求めます。この差が指数の大小につながるわけです。
 

 なお、中山芝1600mの過去6年間の全馬の走破タイムを分析したところ、 データの最頻値であるタイムとの差はおよそ±4秒あることが分かっています。つまり、スピード指数でいえば±40です。

 一方で馬場指数がスピード指数に与える影響は、だいたい±20ぐらいになります。しかし、 天候が著しく悪化した場合には+40程度の変動が見られます。

 つまり、根幹である基準タイムとの差に対して、馬場指数は約50%の影響があるといえます。さて、 以前に過去の馬場指数データを年度別に並べて比較してみましたが、天候による馬場変動を考えると、 時期毎に画一的な馬場指数を利用することは出来ないという結論に至りました。
 2008年第1回福島馬場指数

 馬場指数の計算は、自動化のしづらい部分であります。だいたいの傾向は1日の流れを見ていれば掴めますが、 レースのレベルやペースを考慮した馬場差の判断は人の手で補正してやる必要があります。

 この作業は実は年期というか、経験が必要な作業になります。

 左図は2008年第1回福島開催の馬場指数の推移ですが、 3日目と4日目は雨の影響を受けて馬場が著しく悪くなっていることが分かります(青のグラフ)。
 逆にダートはタイムが早くなっています。

2008年第1回福島3日目

 さて、2008年第1回福島3日目の芝の流れを見てみましょう。朝から雨が降り、不良馬場であることが分かります。 一番右端に並んでいる2つの数字が馬場指数です。この流れを見て吉田はこの日の馬場指数を38と判断しました。

 この辺の馬場指数の設定方法には各人のノウハウがあると思いますが、 吉田は基本的に1日の間で馬場が変化するような数値の取り方は採用しないようにしています。

 その理由として、1レースだけをみて馬場差を判断する必要が出るため、レースごとのレベルのばらつきを無視することになります。 そもそもレース毎のレベルのばらつきを考慮するために、複数のレースを見ているのに、 そのルールを犯してまでイレギュラーな数字を採用して良いのかも判断に悩みます。

 1日の中で馬場指数を変化させるのは理にかなっているようで、ただでさえアナログ的な馬場指数計算に拍車を掛けることになります。

 これについては合理的な処理方法、検証方法がないか検討中ですが、現在の所、吉田は1日1つの馬場指数で処理するようにしています。

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