競馬に必勝法はあるのか?

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 A.ベイヤーの2冊目の著書「ウィニング・ホース・プレイヤー」(絶版)を読み終わり、 A.ベイヤーが単なるスピードハンディキャッパー(スピード指数使い)から、トリップハンディキャッパーになり、 指数とトリップによってさらに勝てる境地を模索していることを実感しました。
 とはいえ、この書籍が扱っているのは1980年代なので、今よりも30年近く前の話になりますが。

■「A.ベイヤーの教え」

 最初の書籍「勝ち馬を探せ」(絶版)でも、スピード指数を定義しておきながら、 それに盲目的に従ってはいけないと書いてるあたりはさすがだなと感じさせましたが、 本書でも試行錯誤の末行き着いた生の馬券術が書かれており、大変参考になりました。
 日本の競馬書籍だと、新しい理論やロジックを紹介する場合、自画自賛で終わっているものばかりですが、A.ベイヤーは作り上げた理論、 体得したロジックの欠点や弱点をきちんと書いてるところがすばらしいと思います。

 約30年前にA.ベイヤーが行き着いた境地は、スピード指数で馬の能力やスピードを把握し、 トリップハンデキャップでレースぶりを評価。これらを総合した上で結論を出すというものです。 日本では木下健氏が最強の法則誌上で明らかにした方法論と同じです。

 「ウィニング・ホース・プレイヤー」を読んでいてふと思ったのは、「競馬に必勝法と呼べるものは存在するのか?」ということです。 必勝法とは「必ず勝つ方法」ということで、それを使えば必ず勝てるというたぐいのものです。
 A.ベイヤーの方法論でもやはり死角はあり、トリップ+スピード指数の組み合わせでも自信がなかったり、とれないレースが存在します。

■「競馬に必勝法はあるのか?」

 現在でも多くの競馬ファンや専門家が競馬必勝法の開発に力を注いでいますが、 これで絶対勝てるというものを少なくとも吉田は知りません。回収率が100%を超えるものはごろごろ存在していますが。必勝法の定義を、 「年間を通じて回収率100%以上に持って行く」とするならばすでに完成しているといえるでしょう。

 しかし、本当の問題は自分が手を出したレースが勝てるのかという点です。パソコンで収支シミュレーションをして100% を超えていることは必要ですが、一番大事なのは、その馬券術を誰かが使ったとき、使ったレースで有効かどうかなのです。

 実際、多くの馬券術を研究すると、適用できるケースとできないケースが存在していることに気づきます。 吉田が個人的に使っているサイン系のロジックでは、2008年9月7日 小倉3Rの三連複 1,326,370円を的中させることができますが、必ずしもすべてのレースで通用するわけではありません。それどころか、 この夏の開催成績を見ていると小倉開催の成績が悪いという事実があります。

 オッズ競馬の世界でも、午前中のレースの成績が悪かったり、強烈な異常オッズが発生しているにもかかわらず、 凡走することが結構あります。

■「勝てるレースだけを選んで勝負」

 それぞれの方法論には向き不向きが存在し、その中で成果を上げるしかありません。ここで、 「自分が買ったレースに馬券術が適用できるのか」という話に戻りますが、馬券を購入するレース=機会に対しての「期待値」 を求める必要があるのではないかと思っています。
 スピード指数だけを使っていたときにも感じていましたが、スピード指数だけでも簡単にとれるレースと、そうでないレースがあります。 両者の違いは何か?

 それぞれの馬券術に守備範囲があるとして、もっとも成績がよくなるケースだけをねらい打っていれば勝率が高くなります。 本来の意味の必勝法でいうなら、必勝法とは極限まで期待値の精度を高めたものと言い換えることもできます。

 しかし、現実問題として100%に近づけることはできても、100%にはできません。しかし、 必勝法にその分だけ近づいたと言うことができると思います(その馬券術が得意とするレースのみで勝負するという意味です)。

 馬券術というと、年間勝率、回収率データを出すところで終わってしまいますが、馬券購入者の立場に立てば、 その先があることを常に肝に銘じておく必要があると思います。あるロジックで取りづらいレースも買えるように努力するよりは、 確実に勝てるレースを検出できるようにしておく方が現実に即していると考えています。

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