自分に出来る範囲でベストを尽くす

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 どのカテゴリーに分類するか悩むようなネタです。ずっと悩んでいて、最近ようやくこのように考えられるようになりました。
 何に悩んでいたかと言えば、サポートです。サポートは商品やサービスを提供していると、必ずついて回るものですが、 製品が複雑化するにつれてサポートもより重要性を増してきます。

 他に差別化が難しいサービスの場合は、サポートを充実させて売りにする物もあります。例えば、よくTVで見かける自動車保険ですが、 補償額や保険料が横ばいになると、ロードサービスなどを充実させて差別化を図っています。そういうCMを一度は目にしたのでは?

 一方、ソフトウェアの場合、機能やインターフェースでまだまだ差別化できますから、サポートを充実させなくても成立します。

 吉田がシンプルぱっと1をリリースして以来、自分の裁量でサポートにも力を入れてきました。 これまで自分が購入したことのある製品やシェアウェア以上の対応をしてきたつもりです。
 しかし、一向に要望や改良のための開発が終わらず(ソフトウェア開発に終わりはないので、当たり前なのですが)、家庭や仕事、 開発やサポートなど日々の終われていると、心身ともにつかれてきます。

 事の真相は分かりませんが、自動投票ソフト「BET AUTO」の開発終了にもそういった背景が絡んでいるのではないかと思います。 がんばればがんばるほど仕事量は増えますが、必ずしもそれに伴って収入が増えるわけでもありません。

 そこにユーザーの何気ない一言で、がっくりとさせられることもあるわけです。例えば、 2008年の11月8日にIPAT仕様変更があったわけですが、このとき吉田は競馬への影響を最小にとどめるために、朝7時から対応して、 対応版を1時間後にはリリースしました。確認したわけではありませんが、同種のソフトの中でもトップクラスの対応速度だと思っています。

 しかし、後日ユーザーから「他のソフトは当日には対応が終わっているのに、オタクはまだ終わってないんですか?  違約金をよこせとはいいませんが……以下略」みたいなメールが入りました。このときは、さすがに失望をして、 もう競馬ソフトの開発から撤退しようかとも本気で考えました。この影響で、 少なくともSPAT4版の開発は中止してます(期待されてる方には申し訳ありませんが、現時点ではモチベーションがわきません)。

 この事件以来、サポートって何だろうなと考え(その前から結構負担だったわけですが)、 ようやくひとつの結論めいたものが「自分に出来る範囲でベストを尽くす」と言うことです。

 投票ソフトというカテゴリーは正常に動いて当然で、ちょっとした不具合でもユーザーに罵倒されます。 お金を扱うソフトなので当然と言えば当然ですが、そのための品質管理はしています。しかし、 ユーザーの環境に起因した問題が大半であることも忘れてはいけない部分だと思っています。特に、昨今のアンチウィルスソフトは、 いい加減な実装のせいで正常な機能の動作に支障が出る物もあります。
 新OSのWindows Vistaも互換性に大きな問題を残し、 これまでに開発されてきたWindowsアプリケーションが正常に動作しないケースが多くなってます(当方やサポータの方々で検証していますが、 そこでは問題は発生していないのです)。

 話がそれたので戻しますが、今後も競馬ソフト開発を続けていくためには、「自分に出来る範囲でベストを尽くす」 という考え方をいろいろな部分に適応させていかないと駄目だと思っています。サポート然り、要望への対応然り。

 これについてはユーザー側の協力も必要だと思っています。 そのためにはサポートはあって当然というスタンスを持っている方々の意識を変えていただく必要もあると思ってます。 マイクロソフトなど一部ソフト会社も、有償サポートをしいているという背景を考えれば、自ずと理解されてくると思います。

 競馬ソフトに限らず、あらゆるソフト製品が抱える命題ですね。

コメント

「自分に出来る範囲でベストを尽くす」 ‥‥
‥同感です。

ユーザー側の「自立」も今後は必要なのでしょうね。
ソフト制作者の方への「依存体質」からの脱却。
ある程度は努力すればプログラミングの「入り口」ないし「入門」はある程度努力する期間があれば習得できる時代だと私は思います。

そこからの「愛着するソフトへ対するユーザーの具体的イメージ」をふまえた「要望」でないと‥
作り手の意欲を失うのではないでしょうか?
そんな気がしたもので投稿させていただきました。
なんでもかんでも「ソフト」が満たしてくれるワケではありません。
結局はソフトを使う、「使い手」の問題です。
そうした上での使い勝手が「不具合」ならば‥
「応相談」。。

そんな気がします。


投稿者 こめぞう : 2009年01月11日 23:33

開発終了にならないためにも
変更があったときには(開催側が勝手に変更したとしても)
有償サポート。もしくは期間ライセンスに移行せざるをえないんでしょうね。

「自分に出来る範囲でベストを尽くす」
私も同意見です。
あまり無理せず頑張ってください。

投稿者 ふくふく : 2009年01月12日 00:04

コメントありがとうございます。
一時期、俺が競馬ソフト界を変えてやるんだ(笑)と意気込んで
あらゆる事に挑戦しようとしたのですが、結果として自分の
身の丈を思い知らされました(笑)。

BET AUTOの作者もそうだったのではないかと思います。自動運転
が出来るソフトを公開すると、是非競艇版も競輪もお願いします
と頼まれ、それをかなえていったわけですからね。
同一価格であれだけのバージョンを入れてるので、何か使命感の
ような物を感じていたように思います。

吉田も競艇や競輪版の依頼を受けましたが、断った理由はそこまで
フォローしきれないというのが正直なところです。

自動運転ソフトは企業が参入してきても、採算が取れずすぐに発売
取りやめになってしまったものもありますし。要望やサポートコストが
高い割にニッチなので採算が合わないというのが現状だと思います。

すべての人がプログラミングできるようになる必要はないと思いますが。
せめてヘルプは読んでくださいと感じることは結構あります。

末永くやっていくためにも、どこかで線を引いた上でベストを尽くすのが
一番よいと考えています。

投稿者 吉田章太郎 : 2009年01月12日 20:36

おおしく、ロマンを持って、プライド高く・・・そんなしょーちゃんらしい良さが弱さでもあると思うなあ。
「へえ~、ヘルプも見ないでこんな乱暴にいう人もいるのね~。くす」「ソフトの対応も知らずにののしるなんて、世の中広すぎ~。無視無視」
そんな距離の取り方や異質な他者を受け止める様な年もそろそろ来ているんじゃない~?笑

正直しょーちゃんは「やれることを精一杯やる」って書いているけど、一緒にシンドロームを開発して来て、「やれることを全力投球している」事は十分わかってますよ~。

あとは、ユーザーとの関係でずれが生じたり、苦しくなったら、「にやり」と笑って、自分をいじめたり責めたりしないようにして欲しいなあと思うなあ。

チームを組んでいるシンドロームの相棒高田でした。

投稿者 高田 : 2009年01月12日 22:50

言い方を変えると「肩の力抜けよ」って奴です。そういうことが
ようやくできる段階に近づいてきたというわけです。

シンプルぱっとの開発に関わって感じたのは、自分が思っていた
シェアウェアの世界=ソフト作者を一緒に支えるというものが
崩壊し、有償=商業に短絡的につながってしまったと言うことです。

まぁユーザーにしてみれば、アマチュアが作ってるソフトも企業が
発売しているソフトもあまり大差ないのかもしれませんけどね。

公開してからの数年間で、ユーザーの考え方の変化にとまどいつつ、
その方向転換をしている最中の心境というわけです。
ユーザーが商業主義だととらえるのであれば、こちらも考えを改める
必要性が出てきています。

オープンソースのような世界もあるけど、よほどのプロジェクト以外は
企画段階で頓挫してるので、まだまだ世の中を支えるのは有償ソフトかな
と思ってます。

投稿者 吉田章太郎 : 2009年01月13日 09:30

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