ゲームソフトと競馬ソフトに求められる楽しさの違い

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 今、シンプルぱっと2の他に2本の競馬ソフトの開発に携わっています。ひとつは運営も担当してる異常オッズ分析ソフト「シンドローム」、 もうひとつはOEMで開発しているソフトです(こちらは吉田の名前ではなく、別の会社名でリリースされます)。

■開発中の2本の競馬予想ソフト

 シンドローム2は2008年の1月に本格的な開発がスタートし、足かけ1年以上開発しているわけですが、 ようやく正式版リリースの目処が立つ開発進度に達しました。買い目作成関連はもう少し、詰める必要がありますが、 その他は調整とデバッグだけで終了しそうです。
 シンドロームは日本最高水準の異常オッズ予想ソフト(分析から予想に進歩させる)をめざしています。実際、予想ロジックは、 かなりの精度があります。

 OEMの競馬ソフトの方はまだ企画段階に近く(ずっと、搭載ロジックの開発を行っていたため)、まだまだ時間が掛かりそうです。 こちらのソフトはJRA-VAN等でご覧いただけるソフトになる予定ですが、基本的には競馬を楽しめるソフトにしようと思っています。

■競馬ソフトに欠くことの出来ない条件とは?

 これまで予想ソフトは自分と仲間が使うだけの物しか作ってこなかったので、 多くの人の予想に関わるソフト開発というのはこの2本が初めての経験になります。 シンドローム2の企画と設計は2年以上前からの話になるのですが、競馬予想ソフトに求められてるものは何か?  それをシンドロームの運営を通じてずっと考えてきました。

 絶対欠くことの出来ない必要条件は、「的中すること」、「儲かること」です。 単勝1番人気を買うより当たるか儲かるかしないのであれば、そのソフトやロジックに価値はありません。しかし、 常勝や無敗と呼ばれる競馬ロジックがこの世に存在しないため、パフォーマンスを突き詰めていくとどこかで限界点に達します。

 だいたい100%を超えたあたりから、横ばいに近くなります。シンドロームはその限界に挑戦していますが、 自動的に買い目を出すソフトではないので、CTを見て買い目を出す作業には個人差は出ます。

■ソフトの個性

 パフォーマンスだけでは横ばいになるのなら、+アルファの要素がそのソフトの個性になります。これが十分条件。 シンド2の場合はもともと持っている組織の方向性=チーム、仲間というのをテーマにあげています。具体例はそのうち挙げたいと思います。
 一方でOEMの競馬ソフトの方は、別のところに価値を見いだそうとしています。これも企画段階なので、まだ詳細は書けません。

 実は友人にOEMの競馬ソフトの方の企画を見せたときに、「わくわく感が足りない」 と言われました。しかし、実用ソフトにわくわく感なんてありません。 CD-Rを焼くソフトのどこにわくわく感があるでしょうか?  マスコットキャラが踊ったりすれば、さんざん批判を浴びたMicrosoft OfficeのOfficeアシスタントのようになりかねません。

 わくわく感や没入感を与えてくれるソフトの代表格と言えば、ゲームです。ゲームは「ゲームをやるというプロセス」 を目的としているため、わくわく感や没入感は不可欠です。一方競馬ソフトや実用ソフトは、結果を目的としたソフトです。 年賀状印刷ソフトには、年賀状を作ったり住所を印刷するという確たる目的があり、決して年賀状を作るプロセスを目的としていません。

 ここで先ほどの話に戻るのですが、競馬ソフトの必要条件=目的は、「的中すること」、「儲かること」です。 競馬というゲームに勝つためのソフトというのが、競馬予想ソフトの目的ですが、そこだけを突き詰めると、 当たるかどうかだけが鳥沙汰されるようになります。しかし、極論すればよく当たる予想会社を利用すればよいだけで、 競馬ソフトを利用する理由にはなりません。なお、コストの問題は度外視とします。

 これだけ多くのソフトがあり、しかも、常勝無敗の予想ロジックが存在しないのであれば、競馬ソフトを使う「プロセス」 も楽しめる物にする必要があると思ってます。かといってミニゲームや過度な演出をするというわけではなく、 実用性と最終目的をきちんと押さえた上で、 そのソフトを使ってもらうこと自体に意味を見いだせるような仕掛けが必要だと考えています。

 この問いかけに対してはかなり長い間悩みました。ようやくその答えがおぼろに見えてきましたが、 そのひとつがカスタマイズだと思っています。自分自身のチューニングを施し、しかもそれが的中率や回収率に関わってくるのであれば、 プロセスも楽しめるようになります。

 もっともカスタマイズが出来るソフトはこれまでもありましたので、そこには明確な違いを出せるようにする必要はありますが。現在、 これをもう一歩先に進める仕組みを考案しています。まだ企画段階なので、どう転ぶかは分かりませんが、 予定では今年の夏までには何らかの形を示せると思います。

コメント

わくわく感って言った友人はすごいと思うな。
なんて言うか、高田は「主人公性」だと思っています。つまり、自分が「壁を突破する実権を握っている」という感じですね。シンドの場合も、CTをどう攻略するかとか、紐をどうする?券種をどうする?資金力を考えてどう配分する?そういうたくさんの要素の判断が求められる訳です。そういう過程の先に「あたった!」という感動に加えて「俺が当てた!」という気持ちがその感動を増幅させます。
しょーちゃんにシンドロームを当面、TargetJVに連動させたいという打診をしたのもその辺です。オッズ異常が騎手・馬主・調教師とどんどん連動し始めていきます。そういう環境を提供していけるのはシンドロームだけだと自負しています。これによってオッズ競馬のシンドロームが「前日分析を楽しむ」「楽しんでしまえる」サイトに変わってくるのだと確信しています。

とりあえず買えば当たるソフトシンドローム。でも、工夫をすることでさらなる競馬の主人公になれるソフトでもあるということ、大事だと思います。そして、そういう一人ひとりの工夫がチームとなって風船のように膨らんでいく、それが夢ですね。

投稿者 高田 : 2009年01月12日 22:38

その友人はたまだよ。何かあるときは、まず彼の意見を求めてます。

主人公性については同感です。ただ、知識のないひとがいきなりすべてを
考えるのは大変なので、システムのひな形を示唆してあげる必要が
あると思ってます。この辺はまたじっくり話をしましょう。

競馬は当たる儲かるというのがまず前提です(衣食住足りて礼節を知るという
奴)。でも、その先、競馬を楽しめるかどうかは本人の積極性に関わってきて
いると思います。ほとんどの人は専業馬券師ではなく、娯楽として楽しんでる
わけで、安定して儲けるのはやはり本業にはかなわないわけですから、ある程度
儲けが安定したらどうやって楽しむかのほうに目を向けて欲しいなと思ってます。

投稿者 吉田章太郎 : 2009年01月13日 09:22

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