サポートとフィードバック

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 サポートをしていて一番困るのはなにか? それは問題解決法として提示したことに対して、 その結果のフィードバックが得られないことです。吉田がサポートが嫌いな最大の理由がこれです(他にもありますが)。 サポートとフィードバックについてちょっと考えてみます。

 サポートとは何でしょうか? gooの国語辞書で調べてみました。

(1)支えること。支援すること。また,その支援。「アタック隊を―する」
(2)メーカーが使用者に対して行う情報提供や保守のサービス。
(3)若者の隠語で,援助交際のこと。

出典:goo辞書

(3)の援交は除いて、サポートには支援という意味合いが強く含まれています。 支援ですから実際の問題解決はトラブルに遭遇している本人が行う必要があります。あくまでも 「代行」ではないのです。

 メーカーをはじめとして多くの場合、電話やメールでサポートを必要としている人に情報や解決法を提案します。 この時ひとつ問題があります。

 それはサポートを行う側の目の前で起きている現象ではないと言うことです。 メーカーに勤務していたときもそうでしたが、実際に不具合と判断されて送り返された製品も、 社内で再現性試験をしても再現しないことが多く、結果的に代品交換だけで終わるケースがほとんどでした。

 ソフトウェアの場合は、代品交換という対応ではなく、ユーザーの環境、 設定などからユーザーが直面している現象を解決する必要があります。 だいたいサポートの問い合わせの9割がユーザー環境や設定が原因となっています。
 この場合、過去の事例から似た症状の物を選び、そのとき指示した内容をユーザーに伝えます(ほとんどの場合はFAQに類するものです)。

 ここで冒頭で述べた問題があります。目の前で起きている現象であれば、具体的な対策を立てることは出来ますが、 そうでない場合は原因を推察し、対応策を指示することになります。この時重要なのが「フィードバック」 なのです。

 「○○してください」という指示が、実際に直面している問題を解決できたのか?  これが分からないと問題解決のためのノウハウは一向に蓄積しません。たいていの場合は質問しっぱなしで、 解決したかどうかのフィードバックは返されないので、返信がない場合は対策が効いたと判断します。苦肉の策ですね。

 今、吉田が運営と開発に携わっているシンドロームで、次期バージョンのリリース準備を行っています。 全会員にシンドロームの新しいバージョンを渡してテストしてもらっていますが、ここでの難所が2カ所あります。Windows Vistaと、データベースとして採用しているSQL Server 2005 Expressのインストールの問題です。 どちらもMicrosoftの製品ですが、インストールに大きな問題を抱えています。 これは吉田が開発したソフトとは関係ないところで発生する問題なので、対応策はユーザーからのフィードバックを待つしかないのです。

 同じような問題に、JV-Link絡みのトラブルもあります。 これもJRA-VAN側の問題でクレームが発生します(多いものとして、 レジストリ不整合で突然サービスキーが使えなくなるという現象です)。

 どちらにしても、 サポートはユーザーとの協力関係を築かなければ成り立たないと考えています。 今は一方通行のことがほとんどですが、これを読んだ人はサポートを受けたときに、 指示内容の効果をメーカー等にフィードバックすることを心がけていただければ幸いです。

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