競馬のリスク

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自分が競馬でどの程度のリスクを取っているかは、漠然としていてなかなか正確にはつかみにくいものです。1日あたりの予算を決めるぐらいはしていますが、口座がパンクするのはいくらかはつかみづらいと思います。
ここで改めて競馬のリスクについて考えてみたいと思います。

■リスクの種類

競馬のリスクは2種類あります。

(1)不的中のリスク
(2)トリガミのリスク

競馬は、宝くじに比べると圧倒的な的中率があります。宝くじで100万円の払い戻しを受けられる確率は5万分の1です。詳しくはこちらのウェブサイトをご覧下さい。
競馬は18頭フルゲートの場合、単勝で1/18、馬連で1/153、三連単でも1/4896です。もっと言えば、全通り買えば必ず的中します。

しかし、競馬は25%の控除率があるため、全通りの馬券を買うと回収率が75%に落ち込みます。これが(2)のトリガミのリスクです。

そこで我々は回収率をあげるため、また、1レース当たりの投票金額を減らすために、買い目点数を絞ります。これにより(1)の不的中のリスクが発生します。

このことから、競馬は「主催者と25%のテラ銭をめぐる戦い」であるといえます。

■競馬はランダム?

競馬が全くのランダムであれば、1番の馬が1着になる確率はさいころを振って決めた数字と一致するはずです。しかし、そうはなりません。

  • 馬の能力
  • 血統
  • 前走の成績
  • 調教状態
  • 仕上がり状態
  • メンバー構成
  • 展開

などなど様々なファクターが絡み合い、必ずしもランダムにはなりません。競馬を形作る様々なファクターの中で、最も支配的な要素は「人気」です。どのレースにも1番人気馬は存在し、1番人気馬の複勝率は毎年ほぼ同じ水準で推移しています。

このことは、「競馬の不的中リスクが単に買い目点数のみで決まる」と言うことの反例となります。

あるレースで1頭だけを選んで単勝を購入するとしても、単勝1番人気を買った場合と、単勝10番人気を買った場合では、投資金額は同じでも取っている潜在リスクは異なります。当然勝率25% (4回に1回的中) の1番人気を買い続けた方がリスクは低くなります。

「人気薄から買う場合は、人気馬に流せ」

と言われている背景には、人気によって的中率にばらつきがあるためです。しかし、誰もが支持する人気馬を買うと言うことは、それだけ的中した場合の配分者が増えると言うことで、回収率は下がります。

ここで、競馬は「他の競馬参加者をいかに出し抜くかの戦い」であると言えます。

■競馬のリスク

これまでの説明で競馬というゲームの構造は理解してもらえたと思いますので、改めて競馬のリスクについて考えてみたいと思います。

競馬は

「主催者と25%のテラ銭をめぐる戦い」
「他の競馬参加者をいかに出し抜くかの戦い」

というゲーム構造になっているため、「的中率をあげるために点数を増やしたい」、「回収率を上げるために点数を減らしたい」というジレンマに対する自分なりの答えを見つける必要があります。また、「競馬はランダムではなく、人気に基づき期待値が決められている」という事実もあります。

これらの事から

  • 人気サイドを買えば、回収率は下がるが、資金回収のスパンは短くなる
  • 人気薄を買えば、回収率は上がるが、資金回収のスパンは長くなる

と言えます。当たり前のことですね。

当たり前のことですが、実戦になるとこの当たり前のことが無視されてしまいます。よく「この馬は人気薄だから妙味がある」という会話を耳にしますが、人気薄の馬から勝負する場合は、人気馬に流すべきですが、つい欲目がからんで、他にも見つけた中穴の馬(4-5番人気)と絡めて流したりする場合があります。人気毎の的中率や回収率を意識していれば、1-3番人気を絡めて馬券を組み立てるべきでしょう。

統計的に自分の馬券術を振り返るチャンスがある人でも、期間回収率などに目を奪われ、回収スパンに目がいかないことがあります。「回収スパン」は競馬のリスクの両面を捕らえた概念で、投資した金額がどの程度で回収できるかを示しています。「資金回転率」と言い換えても良いかもしれません。

より実践的に競馬のリスクを考えるなら、

  • 自分のお金のうちいくらを競馬に回せるか(資金量)
  • 投資した金額は、どの程度で回収できるか(回収スパン)

を常に考えるべきなのです。最も単純なモデルを示すなら、的中率10%で口座に10万円あるなら、1日に使える金額は1万円が上限となります。理論通りに行くなら、口座パンクするというリスクは最小限に抑えられます。

Club A-PATに加入すれば、自分の的中率、回収率を簡単に閲覧できるため、一度自分が取るべき競馬のリスクがどの程度かを計算し直してはどうでしょうか?

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コメント

僕は、競馬ソフトの開発者に知り合いがいますけど、
オッズに左右されない指標を持たないと回収率100%の壁は越えられないみたいですね。

回収率と的中率の両方を向上させないと、
競馬を資産運用にはできないというのが僕の考えです。

投稿者 通りすがりB : 2010年09月09日 22:55

回収率と的中率は反比例するので同時に向上させることは
出来ません。
回収率100%の壁ですが、オッズだけでも100%越えは出来
ますよ。

投稿者 吉田章太郎 : 2010年09月12日 02:25

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