高齢者とソフトの抱える構造的な問題

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今日は敬老の日でした。これにちなんだネタがニュースサイトに掲載されていました。そのニュースサイトによると、日本で老人が占める割合が3割を超えたそうで、3人に1人が老人と言うことになります。
これについてはいろいろと社会的な問題となっていますが、ソフト作者の観点から3人に1人が老人という問題を考えます。

シンプルぱっともそうですが、異常オッズ分析ソフトシンドロームの会員さんの高齢化が目立ちます。50歳以上の人が過半数を占めています。老齢というとパソコンに対するなれ不慣れの問題が一番に気になりますが、若い人でも駄目な人はとことん駄目なので、年齢による差異はあまりないと考えています。

一番顕著な問題は、老眼の問題です。シンプルぱっと2でも、やはり高齢者の人から文字サイズを大きくして欲しいとの要望を受け、最新版(Ver2.51)で実装しました。

競馬の場合は、オッズをはじめとして細かい数字を見る機会が多いため、文字サイズの問題は結構大きいと思います。吉田は自分のソフトの数字を少しでも読みやすくするため、プロポーショナルフォント(例:MS Pゴシック、MS UIゴシックなど)は極力避けています。特に数字を表示するところは、ほとんど等倍フォントを使っています。

それでも文字サイズの根本的な問題の解決にはなりません。自由に文字サイズを変更できることが理想ですが、ソフトウェアの場合はウェブサイトほど自由にはいきません。

まず、画面サイズの制約があります。ノートPCやモバイルPCを利用する人が増え、デスクトップでも液晶ディスプレイが全盛となった今、解像度に対する制約は以前よりきつくなっています。解像度が低いと、それだけ表示できる情報量が少なくなります。
競馬ソフトのようなジャンルは、1画面にすべての情報が表示できるのが理想で、設計の際にもどこにどの情報を表示するかは苦心するところです。これを、ユーザーの都合で自由に変更できるようにすると、表示が破綻するわけです。

※特に不完全なネットブックをパソコンと称して売りつける商法があるので、問題はさらに大きくなります。

次に情報伝達の制限があります。先ほどの解像度の問題とかぶりますが、ウェブサイトのように記事本文だけを必要な分だけ切り取って閲覧するわけにはいかないので、最低限、同時に表示しないと伝わらない情報というものが存在します。ソフトウェアの場合、インターフェースも一緒に表示する必要があるため、さらに厳しい制約が加わります。

文字サイズを可変に出来るようにするというのは、ユーザー側からすれば些細なことに思えるかもしれませんが、開発側からするとどえらく手間暇の掛かるモノなのです。

大手ソフト会社もこの問題には明確な答えは持っていないようです。

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