自分のエッジはどこにある?

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 分かりづらいタイトルですが、競馬の記事です。エッジとはとっかかりのことで、 競馬に限らずすべてのギャンブルに必要なものだと思います。関連した記事として、

があります。興味がある人はあわせてどうぞ。

 競馬に限らずギャンブルの勝ち組の中には、博才に恵まれた人がいます。この種の人は勘が鋭いというか、ある種ハナがききます。 同じ予想ロジックを使っても、馬券収支にははっきりとした差が出てきます。

 吉田は残念ながらこの種の才能はありません。だから別の特技を活用するようにしています。一番大きいのはプログラムが書けるので、 自作ソフトを使えます。このおかげで、市販されていない特別なソフトを使えます。
 しかし、これでも勝てるわけではありません。特別な才能がない人の戦い方は共通しています。つまり、 統計的にアプローチして勝つという方法です。

 1番人気の複勝率が64%あるというのは、競馬ファンには広く知られている事実です。つまり、 3回に2回は1番人気が3着までに来ると言えます。また、パレート図を書くと、1~5番人気の連対率は86%程度程度あります。 これらの事実を知っていると、むやみに人気馬を馬券から外すのは無謀な行いといえるでしょう。吉田も競馬をはじめた頃は、 特に根拠なく1番人気を消したりしました(笑)。これじゃあ勝てるわけがありませんね。

 別の記事でも触れましたが、競馬はゼロサムゲームです。みんなのお金を集めて、テラ銭を抜かれた後のお金を、 みんなで奪い合うゲームです。全員が当たってもテラ銭が抜かれているので、 儲かりません(競馬の場合は100円以下になった場合は、JRAが負担しますが)。
 つまり、別のプレイヤーよりも1円でも多く奪えば勝者となれます。ここにヒントがあります。

 「他のプレイヤーを出し抜く要素」。これです。戦略もその一つです。 先ほどの話に戻りますが、博才のない普通の人がギャンブルに勝つには、統計的なアプローチが必要です。たとえるなら、 「博才豊かな人が狩猟技術に優れたハンター」なら、そうでない人は「罠を仕掛けて魚がかかるのを待つ漁師」です。 ただ、漁師になるには、どこのポイントに魚がいるかを知っていなければなりません。水の中の様子は分からないので、確率的な問題になります。

 漁師タイプの馬券師は、確率論に基づく罠を仕掛ける必要があります。具体的な例をあげますと、スピード指数のA馬の複勝率は45% 前後です。複回収率は86~90%前後です。1番人気を買い続けるよりは回収率が高いですが、今ではスピード指数は広く使われているため、 これだけで勝つには工夫が必要になります。この工夫がエッジです。工夫により回収率を100% よりも高めることが出来れば、それを買い続けるだけで勝てるようになります。

 スピード指数の考案者であるA.ベイヤーはスピード指数も予想に使ってますが、トラックバイアスというエッジを使ってます。 アメリカの競馬新聞には、日本より詳細な結果情報に加えてスピード指数が掲載されています。そのため、 単に指数の高い馬を買うだけでは勝てなくなってきています。日本と同じですね。だから、A.ベイヤーは他人を出し抜くために、 トラックバイアスを使います。これは新聞には掲載されていないため、十分にエッジのかかっている情報といえるでしょう。

 吉田はスピード指数に加えて、サインやシンドロームを使ったオッズ予想を使っています。 サイン馬券術は世の中に知れ渡っているものではなく、まったくのオリジナルのものなので、これ自体がエッジになります。 シンドロームもユーザー数を制限しているので、エッジです。

 エッジは他の人があまり使っていない手法である必要がありますが、その手法自体のパフォーマンスが悪ければどうにもなりません。 つまり、統計的な優位性が必要です。

 

コメント

話がずれてしまいますが、A.ベイヤー他著作、第2版が出版されていたんですね。(^^)

Bet With the Best 2
Hardcover: 256 pages
Publisher: DRF Press (March 25, 2008)

投稿者 momo : 2009年10月01日 22:51

第2版は知りませんでした。とりあえず、彼の書いた書籍は
共著を含めて3冊読みました。だいたい理解したので、もういいかな
と思ってます。レース観察によるトラックバイアスやトリップハンデ
キャップは以前ビデオを見ながら散々やりましたが、正直しんどいです。

投稿者 吉田章太郎 : 2009年10月02日 11:09

吉田さん、こんばんは。

吉田さんが猫じゃらしで子猫を誘う、そして、年老いた私は猫みたいに年甲斐もなく条件反射のように飛びついてしまう。

こんな記事、大好きです。
今夜は飲んで調子がいいので、ちょっとばかし書かせてもらいます。

競馬の入門書にはこう買え、とかいてありますが、その通りの選んでも同じ買い方には絶対にならない。私には、それがさっぱり分かりませんでした。

さて、統計を用いる方法ですが、統計は過去の傾向を示すもので、それが未来を示すものではありません。だからといって、モデルを否定できるものではありません。
そのモデルがはまる場合もあります。
私が馬券を買い始めたとき、競馬場に行ったこともなかったし、馬の名前も知りませんでした。当時、たまたまパソコンをやっていて、これが使えるのではないかと考えました。いってみれば、パソコン競馬です。NiftyのFHRACE、FHWARSが原点です。
それから、いろいろあって、統計的な手法で買うことになりました。
この最大の利点は、誰が買っても同じ買い目であることでした。
当たるときは、みんな当たり、外れるときは、みんな外れる。
これで成果を上げていました。
しかし、それがいつまでも続くはずはありません。
続く(多分)

投稿者 karibu : 2009年10月03日 00:23

吉田のコメントは Karibuさんが続きを書いてから書きますね。
ただ、一言だけ。

>さて、統計を用いる方法ですが、統計は過去の傾向を示すもので、それが未来を示すものではありません。だからといって、モデルを否定できるものではありません

この件ですが、「続 必勝法だけで勝てるのか?」でも述べている
FXの勝率は50%と考えるというのは、まさにこの考え方ですよ。

投稿者 吉田章太郎 : 2009年10月03日 10:44

ところで吉田さんはご自分の馬券理論での
回収率はどのくらいなんですか?

投稿者 ひろ : 2009年10月04日 12:17

こんばんは。

今夜はやけ酒モードです。
阪神9Rでポカをやりました。
これは自分の統計的経験から言えば、あり得ない馬券でしたが、出てしまったのです。それがショック。
今までの自分のやり方がぼろぼろと倒壊していくようです。

統計的なやり方のデータは馬券確率とオッズです。これが基本で期待値(希望的な代物)を基にモデルを作っていました。
それがなぜか分かりませんが、通用しないのです。
馬券の期待値がジェットコースターのように急降下するのです。
だから、的中馬券を買えなくてつらいのです。
買えるのは堅い馬券と9Rのような信じられない馬券なんです。
でもね、負けませんよ。きっと取り返します。

今夜は本当に酔っていて支離滅裂です。お許し下さい。

それから、やたら回収率など知りたがる方がいますが、人のことを知りたければ、まず、自分のこと、自分の買い方、回収率などを書くべきではないかと思いますよ。

投稿者 karibu : 2009年10月04日 23:40

年によって変わりますが、だいたい120%~150%ぐらいです。
誰が優れているかなんて不毛なことはしませんので、比較は
無意味ですよ。

9レースって、阪神9Rですか? これはロジックによっては
自信を持ってかえるレースだと思います。
統計モデルは揺らぎがありますので、上がったり下がったりは
しょうがないと思います。網を張るしかないので、ここは我慢
のしどころですね。

投稿者 吉田章太郎 : 2009年10月06日 09:41

吉田さん、初めまして ike と申します。

毎年120~150%の回収率を安定してキープできるなんてすごいです…
(私は2006年が不調でした…)

吉田さんのおっしゃる通り、
「他のプレイヤーを出し抜く」必要があります。

そのためには、オッズ・人気のみの誰でも作れる単純な統計モデルではなく、、
総合的な統計モデルを作る必要があるんじゃないかな~と思っています。

また、モデルというのは、永続性がないと考えております。
根本的な考え方は変わらないにせよ、微調整が必要だと思います。


私も、独自モデル作って、1番人気を切るための方法発見しましたが、
「その根拠は?」と聞かれると、
「偶然出来ちゃった法則がピッタリ行った」としか答えようがないです。
その辺が「競馬に必勝法はない」と言われる所以ですかね^^;


とくに今年は2着に想定外の馬が来て困る…。
う~ん…競馬って難しい、だからこそ面白い。

頑張って競馬予想ソフト作ります^^

投稿者 ike : 2009年10月06日 18:35

競馬に科学的な根拠を与えてもしょうがないと思います。
吉田もスピード指数を中心にいろいろと細かな検証をしてきま
したが、統計学的に正しい方法をとったときの方が、回収率が
下がったりしました。

こんなことを言って良いのかは分かりませんが、競馬って
ある意味出来レースだと思ってます。JRAにとって、全員が
当たらない状況も困るけど、全員が当たる状況も困るのです。
うまーく、コントロールしていると思います。

投稿者 吉田章太郎 : 2009年10月06日 20:27

私は、自分なりの網をはって、偶然を待つという感じにとらえてます(^^)

投稿者 momo : 2009年10月06日 23:05

競馬は吉田さんが書いているようにゲームだということはまちがいでないと私も考えています。

馬主 調教師 騎手を考えた時 能力だけで成り立つものでないと考えるわけで、偶然は少ないかと思いますし、すべてレールの上を競馬というゲームが走っているというのが妥当かと思います。

ただすべてそうだとは断言しにくいですが、その前の能力査定のレースも多分500万クラスまでがそうでは無いかとと思うのですが、

それ以降のレースはゲームレースと考えてもいいかと?

投稿者 nimjin : 2009年10月07日 06:43

吉田さん回収率の件、お答えくださってありがとうございます。
120~150%なんてすごい!さすがです。脱帽。私はだい
たい100%前後です。最近やっとトントンに持って来れるよう
になりました。私はオッズ主体で予想しますが、オッズの統計デ
ータを基に予想しています。競馬って単に速さを競うオリンピッ
ク競技とは根本的に違うってことがミソだと思うんです。それを
オッズが教えてくれているような気がします。あとはどのレース
を買うか「見」するかが重要だし、買うと決まったら当たるとき
は当たるのだから恐がって当てにいくために買い目を増やし過ぎ
ないことも重要だと実感しています。当てたいじゃなく当たった
らいくら回収できるって考えるようにしなきゃって思います。

投稿者 ひろ : 2009年10月07日 13:55

>自分なりの網をはって
まさにこの記事の言っている「統計的アプローチ」がそれです。

>能力査定のレース
このゲームには2種類のプレイヤーがいます。ひとつは我々競馬
ファンです。もう一つは馬主です。騎手や調教師はあちら側の
人間です。

馬主サイドで考えてみると、自分の買った馬がいくら賞金を稼いで
くれるかがポイントでして、500万クラスにはわざと着賞金狙いの
馬がいます。競走馬の世界が、優勝劣敗の世界だとすれば、OPENクラス
に上れるのはごく一握りですから、こういう作戦もアリだと思います。

>速さを競うオリンピック競技とは根本的に違う

競馬は不公平です。トラック競技を見てみれば分かりますが、走者により
走る距離が異なることはありません。でも、競馬は外枠発送だと、その分
長い距離を走らされます。
セイウンスカイが勝った菊花賞のように、わざとグリーンベルトを出現
させるという操作をすることもあります。G1開催週は原則Bコース使用
なのにもかかわらず。

投稿者 吉田章太郎 : 2009年10月08日 16:09

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