他人の失敗談に学ぶバックアップの大切さ

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 パソコンにはただの機械です。人間や動物のように自己修復機能は備えていません。 道具の状態をベストに保つのは使用者に与えられた義務と思っていいでしょう。
 パソコンのなかでもとりわけ故障が多いのがHDDです。HDDは他の部品と異なり、 ユーザーが作成したデータなどが格納されている非常に大事な部品です。壊れたから交換とは行かないのがHDDです。それ故、 中に保存されているデータが大切であれば、何らかの形でバックアップを取る必要があります。

 吉田はHDDに起因したトラブルを数多く経験しており、BLOGの記事にしたものでも5本はHDDのトラブルに関する記事です。

 HDDのなかには仕事に関するデータや、各種ソフトのソースコード、貴重な競馬データ、子供のビデオなどが格納されています。 何よりも情報産業で飯を食っているのですから、データは何よりも財産です。
 従ってバックアップは、手を変え品を変えていろいろな方法を試しています。

■他人の失敗に学ぶバックアップの重要性

 今回は「他人の失敗に学ぶバックアップの大切さ」ということで、毎日新聞の地方版に掲載されていた記事を紹介したいと思います。 記事が短いため、全文引用になってしまいました。

 あまりに突然だった。さっきまで文書をプリントアウトするなど快調に動いていたパソコンが、固まっていた。 再起動をかけようにも、「OSが見つかりません」の表示で止まってしまう。過去2台のパソコンが壊れた経験からデータは救えると思い、 社内のサポート部署に持ち込んだ。ごちょごちょとやってくれたあげ句、「無理です。ハードディスクに問題があります」と、にべもない。 目の前が暗くなった。

 パソコンの中には出稿日が迫る完成済みの原稿数本と写真が入っていた。「バックアップをとってないんですか」 のあきれた問いかけが頭の向こうでむなしく響く。バックアップはせいぜい年に1度だ。同僚の「どうして壊れたんですか。 落としたんですか」の追及に、そんな覚えはないが、原因など、この際どうでもいい。 過去約1年の写真やさまざまな作成データが失われたショックで、ため息しか出ない。パソコンは信頼できない。と思うのは何度目か。 【金沢衛】

出典:毎日jp

 記事を書いたのは毎日新聞地方支社の記者のようです。わかりやすく箇条書きで要点を抜粋します。

  • パソコンで仕事をしている人
  • HDDトラブルで、データを紛失
  • 過去に2回パソコンの故障を経験
  • データは救えると思っている
  • バックアップは年1回

 記者はパソコンで原稿を書いているので、パソコンは間違いなく仕事の道具です。また、 吉田と同じく情報産業の人なので、データが命です。今回がはじめて壊れたのではなく、 過去に経験があります。過去のケースではたまたまHDDに問題がなく、データは救えたのでしょう。
 しかし、今回はHDDそのものが壊れてしまいました。当然データは救えません(サルベージサービスを使えば救える可能性がありますが、 数十万円の費用がかかります)。しかも、バックアップは年に1度しか取ってません。せいぜいという表現なので、 もっとスパンは長いかもしれません。

■今回の件の教訓

 この記者の失敗談からいえることは、

  • プロでありながら、道具の手入れを怠った
  • バックアップ等の予防措置を一切していなかった(年に1度のバックアップで済むなら問題なしですが)
  • 過去の教訓を全く活かせていない
  • 道具のせいにするより先に、自分のプロとしての自覚のなさを恥じるべき

ということです。料理人が包丁や調理器具の手入れをしなかったらどうでしょうか? 著述業やプログラマーに限らず、 パソコンを仕事に利用している人は、常日頃から道具の状態には気を配るべきだと思っています。 トラブルが起きにくいようにOSやハードウェアの管理をするのは難しくても、 消えては困るデータをこまめにバックアップするのは最低限実行すべきです。

 もし、日頃からバックアップを意識したくないのであれば、そういう仕組みを作るべきです。例えば、 RAIDシステムを導入するのもひとつの手段ですし、同期コピーソフトを使い、 複数のパソコンやSDカードなどのメディアにコピーを取るのもひとつです。データが重要だと思うのであれば、 とにかく2重3重の仕組みを用意すべきです

 この記者のせめてもの救いは、地方版の記事だと言うことですね。恥は最小限で済みます(笑)。しかし、 ネットで記事が公開されてるので、新聞ほどでないにしろ全国に知れ渡ってしまってますね。
 せめて、この記事を笑いものにするのではなく、バックアップの習慣作りの教訓として生かしてください。

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